原因
変形性肩関節症の原因は、明らかな原因がなく起こる“一次性”と、原因が判明している“二次性”に分けられます。
一次性変形性肩関節症
一次性は原因が不明のもので、骨格的な問題などの内因的な要因と加齢変化、スポーツ、肉体労働などによる肩関節への過負荷などによる外因的な要因とが考えられています。
一次性の“変形性関節症”は肩だけでなく、肘、指、股、膝などのあらゆる関節に起こりえます。その中でも特に膝や股の関節に発症することが多く、これらの関節と比べて肩の発生頻度はそれほど多くありません。
その理由の1つとして、膝や股の関節は常に体重による負荷がかかるのに対して、肩関節は体重の影響を受けにくいことが挙げられます。また肩関節は周囲にある筋肉や靱帯、腱が発達していて、関節の中で可動域がもっとも広いことから、一定の部位に力が加わりにくい構造になっています。このような特徴から、肩関節はほかの関節よりも過負荷によって軟骨がすり減ることは少なく、一次性の変形性関節症に発展しにくいと考えられています。
二次性変形性肩関節症
二次性は何らかの病気・病態に続発するもので、その誘因として腱板断裂、上腕骨頭壊死、関節リウマチ、上腕骨近位端骨折などが挙げられます。
腱板断裂とは、肩にある腱板と呼ばれる4つの筋腱(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)が断裂する病態を指し、肩の使いすぎや外傷などによって断裂が起きます。
腱板断裂の初期では痛みや可動域制限といった症状がおき、断裂が進行し断裂サイズが大きくなると求心位が保持できなくなり上腕骨頭が上方化します。さらに病状が進行すると関節の変形が進行していきます。
上腕骨頭壊死は、何らかの原因によって上腕骨頭が壊死してしまう病気です。その原因にはさまざまなものがありますが、上腕骨頭壊死による変形性肩関節症の原因としては、特にアルコールの大量摂取やステロイド薬の大量服用によるものが多いといわれています。
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