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へんけいせいかたかんせつしょう

変形性肩関節症

最終更新日
2021年06月14日
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2021/06/14
掲載しました。

概要

変形性肩関節症とは、肩関節の軟骨がすり減り、関節が変形した状態をいいます。

関節は骨と骨のつなぎ目のことを指し、肩関節は肩甲骨関節窩と上腕骨頭で構成され、これらの骨の表面は軟骨で覆われています。軟骨は骨同士がぶつからないようにクッションの役割を持っているほか、関節をスムーズに動かすうえでも大きな役割を果たしています。

しかし、長年の過負荷などによって軟骨がすり減ることがあり、軟骨がすり減ることで炎症が生じ(肩関節炎)、軟骨の摩擦が進むとやがて骨棘形成がおき、肩関節が変形していきます。また、炎症などに伴って痛みや腫れが見られたり、肩の可動域が狭くなったりするようになります。

変形性肩関節症が発生する頻度には人種差があり、東洋人は欧米人よりも少ないといわれていましたが、近年では日本でも増加傾向にあります。

原因

変形性肩関節症の原因は、明らかな原因がなく起こる“一次性”と、原因が判明している“二次性”に分けられます。

一次性変形性肩関節症

一次性は原因が不明のもので、骨格的な問題などの内因的な要因と加齢変化、スポーツ、肉体労働などによる肩関節への過負荷などによる外因的な要因とが考えられています。

一次性の“変形性関節症”は肩だけでなく、肘、指、股、膝などのあらゆる関節に起こりえます。その中でも特に膝や股の関節に発症することが多く、これらの関節と比べて肩の発生頻度はそれほど多くありません。

その理由の1つとして、膝や股の関節は常に体重による負荷がかかるのに対して、肩関節は体重の影響を受けにくいことが挙げられます。また肩関節は周囲にある筋肉や靱帯、腱が発達していて、関節の中で可動域がもっとも広いことから、一定の部位に力が加わりにくい構造になっています。このような特徴から、肩関節はほかの関節よりも過負荷によって軟骨がすり減ることは少なく、一次性の変形性関節症に発展しにくいと考えられています。

二次性変形性肩関節症

二次性は何らかの病気・病態に続発するもので、その誘因として腱板断裂、上腕骨頭壊死(じょうわんこっとうえし)関節リウマチ上腕骨近位端骨折などが挙げられます。

腱板断裂とは、肩にある腱板と呼ばれる4つの筋腱(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)が断裂する病態を指し、肩の使いすぎや外傷などによって断裂が起きます。

腱板断裂の初期では痛みや可動域制限といった症状がおき、断裂が進行し断裂サイズが大きくなると求心位が保持できなくなり上腕骨頭が上方化します。さらに病状が進行すると関節の変形が進行していきます。

上腕骨頭壊死は、何らかの原因によって上腕骨頭が壊死してしまう病気です。その原因にはさまざまなものがありますが、上腕骨頭壊死による変形性肩関節症の原因としては、特にアルコールの大量摂取やステロイド薬の大量服用によるものが多いといわれています。

症状

変形性肩関節症を発症すると、肩関節の痛みや腫れ、肩の動かしにくさや可動域制限などが生じます。また痛みは肩を動かしたときだけでなく、安静時や夜間に見られることもあります。

検査・診断

変形性肩関節症の診断は、主にX線検査によって行います。X線検査の所見として、関節裂隙(かんせつれつげき)(関節の隙間)の狭小化・消失、骨棘(こつきょく)(骨の突出)形成、肩甲骨関節窩や上腕骨頭の変形などが見られます。より詳しく調べるために、CT検査やMRI検査などを行うこともあります。

治療

変形性肩関節症の治療には、薬や注射、リハビリテーションなどで痛みのコントロールを行う“保存的治療”と、外科的に治療を行う“手術的治療”の2つがあります。まず保存的治療を行い、それでも生活に支障をきたす場合に手術的治療を検討します。

保存的治療

保存的治療で用いる薬として、内服薬(非ステロイド性抗炎症剤)、湿布剤、関節内注射(ステロイド剤、ヒアルロン酸ナトリウム)があります。

一般的にはまず内服薬で痛みの軽減を図り、かぶれなど皮膚異常がない場合に湿布剤を用います。痛みが強い場合や夜間痛がある場合に、関節内注射を行うことがあります。薬物療法に加えて、運動療法(リハビリテーション)で肩関節の可動域の改善を図ることもあります。

手術的治療

手術的治療としては人工関節置換術を行うのが一般的です。

人工関節置換術とは、すり減った軟骨や傷んだ骨を外科的に切除して、金属とポリエチレンなどでできた人工関節に置き換える手術のことです。主な術式として、上腕骨頭だけを置換する人工骨頭置換術、肩甲骨関節窩と上腕骨頭を置換する人工肩関節置換術、本来の肩関節の形状と反転させた人工関節に置換するリバース型人工肩関節全置換術があります。

どの手術法を用いるかは、患者の年齢、骨や腱板の状態によって異なります。

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