治療
鈍的外傷と穿孔性外傷で治療法は大きく異なります。
鈍的外傷
単純な打撲により水晶体混濁が生じた場合は、混濁の進行は緩慢であることが多く、視力低下が顕著になるまで経過観察を行います。視力低下を自覚した場合に、白内障手術を考慮します。しかし、水晶体が膨張し、瞳孔と水晶体の間が狭くなり、瞳孔ブロックという状態にあった場合は、きわめて高眼圧となり、速やかに白内障手術が必要となります。
穿孔性外傷
鋭利な針などで受傷し、角膜の穿孔がわずかで、水晶体の損傷や混濁が軽度である場合は、急激な白内障の進行はおきないこともあります。また、前房水の漏出が軽度であり、治療用のコンタクトレンズの装用で角膜穿孔創の状態が落ち着いている場合は、感染を考慮し、抗菌薬の局所投与を行うことで経過をみていきます。しかし、眼圧コントロールが不良な場合や、視力低下が生じた場合は、白内障手術を行います。
角膜穿孔が大きく、虹彩脱出などがある場合、また眼内異物を認める場合は、受傷部位の縫合や異物の摘出を早急に行います。同時に白内障手術を行うこともありますが、状態によっては後日、白内障手術を行うこともあります。
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