がいじどういぶつ

外耳道異物

最終更新日:
2018年08月09日
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2018/08/09
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概要

外耳道異物とは、外耳道に異物が入り込んだ状態です。外耳道は、耳の穴から鼓膜までの管状の構造で、鼓膜までの音の通り道です。耳の穴に近いほうは外耳道軟骨部、鼓膜に近いほうは外耳道骨部とよばれ、両者の境目は細くなっています。

また、外耳道全体は屈曲しており、通常なら異物が鼓膜の近くまで入り込むことはありませんが、何らかの外力が加わることで外耳道の奥まで迷入することがあります。

原因

外耳道に異物が入り込むことが原因です。異物としては、蛾やクモなどの昆虫や、おもちゃや豆などの無生物、耳垢などさまざまなものが挙げられます。

おもちゃなど無生物の異物は、子どもが遊んでいるときに誤って入り込んでしまうことが多いです。

一方、昆虫などの有生物は、寝ている間など知らないうちに入り込んでしまうことがあり、耳の穴が大きい成人に起こりやすいのが特徴です。

症状

外耳道異物では、音の通り道である外耳道を異物が塞いでしまうため、耳の聞こえが悪く感じたり、自分の声が大きくなっているような感覚になったりします。また、耳閉感(耳が詰まったような感覚)が強く現れることもあります。

異物が外耳道の粘膜を圧迫して炎症が生じている場合には、かゆみや痛みが現れます。

特に外耳道骨部は痛みに敏感な部位であり、異物によって傷がつくと非常に強い痛みを感じます。さらに、外耳道にできた傷から細菌感染を起こすと、重症な場合には、(うみ)や熱が出るため注意が必要です。

また、耳垢が溜まっている場合には、かゆみや難聴などの症状が現れますが、何も症状がなく気づかないケースもあり、健康診断などで初めて指摘されることもあります。

検査・診断

診断には、外耳道に入り込んだ異物の存在を確認する必要があります。

多くの場合は、異物が入り込んだことを自覚してすぐに病院を受診しますが、小児の場合には異物が入り込んだことに気づかなかったり、叱られるのを避けるために周囲の大人に異変を訴えなかったりします。

外耳道異物は入り込んだ異物の種類や発症の状況がさまざまですから、検査もそれぞれに合わせたものが行われます。主な検査方法は以下のとおりです。

耳鏡

ペン型のライト付き耳鏡を用いて外耳道の中を直接観察します。異物が入り込んでいる場所やどのように入り込んでいるかを確認することができます。顕微鏡や外耳道用の細い直達鏡、ファイバースコープを用いて耳内の奥のほうまで観察することも有用です。

異物が鼓膜を障害しているケースでは異物除去後に鼓膜の状態を観察することが可能です。

画像検査

異物が大きい場合や外耳道の炎症がひどい場合には、レントゲン検査やCT検査などの画像検査を行うことがあります。特にCT検査では、周辺組織に炎症が及んでいるか、(のうよう)ができていないかを確認することができます。

血液検査

発熱がある場合や膿が出るような場合には、全身の炎症状態を把握するために血液検査を行うことがあります。

治療

まず異物を取り除く

最も大切な治療は、異物を取り除くことです。無生物の場合には、直接耳穴から外耳道に細いピンセットなどを入れて異物を取り除きます。

異物によっては取り除く際に粘膜に傷をつけて出血させてしまうこともあります。この場合には、止血のために血管収縮剤を耳に注入することもあります。また、強い痛みを伴う場合には、除去前に局所麻酔薬を耳に注入して痛みを和らげることが必要となります。

昆虫異物は、生存していると外耳道で暴れて傷をつくることがあります。そのため、取り出す前には4%外用キシロカイン液などを外耳道に注入し、昆虫の動きが止まってから、キシロカイン液を吸引しながら摘出します。昆虫の一部の取り残しがないように慎重に除去する必要があります。

異物を取り除いた後は

異物を取り除いた後は、外耳道や鼓膜についた傷の治療を行いますが、ほとんどは自然に治ります。細菌感染が起こって耳だれが出た場合には、まず、細菌検査を行ったうえで外耳道の生理食塩水を用いた洗浄やポビドンヨード液による消毒を行います。その後、細菌検査の結果を参考に、適切な抗菌剤(ときにステロイド剤)の点耳や抗菌剤(ときにステロイド剤)入りの軟膏の塗布を行います。炎症がひどいときには鎮痛剤・抗生剤の内服も行います。

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