編集部記事

外陰がんの検査とは? ~診療科や検査内容、治療法について解説 ~

外陰がんの検査とは? ~診療科や検査内容、治療法について解説 ~
金尾 祐之 先生

がん研有明病院 婦人科 部長

金尾 祐之 先生

目次
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大陰唇・小陰唇・陰核などの外陰部に生じるがんのことを“外陰がん”といいます。女性生殖器がんの3~5%を占めるまれながんで、高齢の患者が多く、70歳以上が半数を占めるとされています。外陰がんになると、外陰部にしこりができたり、かゆみや熱っぽく感じたりするなどの症状がみられることがあります。

では、外陰がんが疑われる場合、どのような検査が行われるのでしょうか。このページでは、外陰がんの主な検査・診断方法について解説します。

外陰がんの検査・診療は婦人科で行われることが一般的です。外陰部のしこり、かゆみ、ほてり、痛みなど気になる症状が続く場合には、まず婦人科の受診を検討しましょう。

また外陰部には外陰がん以外にも、外陰パジェット病悪性黒色腫など皮膚科が診療するがん悪性腫瘍(あくせいしゅよう))が生じることもあります。そのため、皮膚科と連携の取れた婦人科で検査を受けることが大切です。

外陰がんが疑われる場合、視診・触診、コルポスコープ診、生検のほか、CT検査やMRI検査などの画像検査が検討されます。以下では、外陰がんの主な検査内容について詳しくご紹介します。

医師が外陰部を直接目で見たり、手で触ったりすることにより、病変の状態を確認します。

コルポスコープ(腟拡大鏡)と呼ばれる機器を使用して、病変部分を拡大して詳しく観察します。また外陰がんが子宮頸部(しきゅうけいぶ)や腟、肛門(こうもん)などに広がっていないかどうかの検査も行います。

外陰がんの確定診断においては、病変部分の組織を採取して顕微鏡で見る“生検”が必要です。検査は局所麻酔をして行われ、病変部分の皮膚、あるいは皮下の組織を採取します。

外陰がんと診断された場合はがんの広がりや進行度合い、リンパ節やほかの臓器への転移の有無を確認するために画像検査が行われます。具体的にはX線検査や胸部・腹部のCT検査、骨盤部のMRI検査を行うのが一般的です。加えて、がんの状態によっては膀胱鏡検査や大腸内視鏡検査などの実施が検討されることもあります。

がんの種類によっては、血液検査の数値に異常が生じることもあります。この異常を調べる血液検査を“腫瘍マーカー検査”と呼びます。外陰がんの場合、治療後の経過観察でも血液検査が行われることがあります。

このような検査によって外陰がんと診断された場合、がんの広がりや大きさ、患者の年齢、持病などに応じて治療方針が決定されます。治療の第一選択は手術で、がんの進行度合いなどに応じて切除範囲が異なります。また術前・術後の補助療法として、放射線治療や化学療法が検討されることもあります。

がんの進行度合いや患者の年齢、持病などにより手術が難しい場合は、根治を目指した放射線治療が検討されることがあります。一方で離れた臓器に転移のある外陰がんや再発した外陰がんでは、抗がん剤による化学療法が検討されることが一般的です。

外陰がんには2022年現在、指針として定められたがん検診はありません。婦人科のがんの中でもまれながんで、医療機関を受診しても診断がつくまでに時間がかかることがあります。また患者の多くは高齢であるため、閉経後にかかる方も少なくありません。気になる症状が続くときは速やかに婦人科を受診し、早期発見に努めましょう。

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