検査・診断
救急外来に運び込まれることが多く、第一にバイタルサイン(意識、血圧、呼吸)の確認が行われます。また体を頭部・頚部・胸部・腹部・骨盤・四肢などに分類して、各領域の状態の確認、内臓の出血の有無の確認も並行して行われます。救急外来で診療するときには、超音波検査を行い、心タンポナーデ、血胸、腹腔内出血を素早く調べます。意識や呼吸、血圧の安定が図れている場合は、骨折や頭蓋内病変、胸部や腹部の臓器損傷程度を評価するために全身のCTが行われます。
臓器障害の程度を評価するときには、「Association for the Advancement of Automotive Medicine」と呼ばれるグループが作成している「Abbreviated Injury Scale;AIS」が用いられます。
AISでは、各臓器の損傷具合を、軽症である1から最重度の6までに点数付けします。AISで3以上のスコアとなった部位が複数箇所ある場合に、多発外傷と考えます。AISを用いることで、生命予後(生命が維持できるかどうかの見通し)を予測することもできます。生命予後を評価する方法は「Injury Severity Score; ISS」と呼ばれています。AISに加えて、血圧、意識状態、呼吸状態などの「バイタルサイン」、年齢、外傷機転などの情報をもとにして、生命予後をパーセントで評価します。
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