原因
現在のところ、多発性硬化症が発症する正確な原因は分かっていません(2020年12月時点)。しかし、免疫の異常がその発症に関わっていると考えられています。
多発性硬化症は、神経線維を覆う髄鞘(ミエリン)という部分が破壊される病気です。神経線維は、神経活動の刺激を伝える軸索と、それを節状に覆う髄鞘によって構成されています。多発性硬化症が起こると、本来自己を守るはずの免疫システムが髄鞘を攻撃して軸索がむき出しの状態になる“脱髄”が引き起こされます。脱髄が起こると神経伝導がうまくいかなくなり、神経症状が現れるようになります。
疫学調査から、発症に関わる要因としてEBウイルスへの感染や喫煙歴が報告されています。また、多発性硬化症は遺伝性の病気ではありませんが、遺伝的要因として特定のHLA型と発症に関連性があると考えられています。
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