症状
多発性硬化症は局所性の炎症性脱髄病変が部位を変え、時間を変えて繰り返し起こる病気です。
脱髄の病変は大脳、小脳、視神経、脳幹、脊髄など、中枢神経の組織であればどこにでも起こる可能性があります。脱髄病変の起こった部位によって異なる神経症状が認められます。
初めて現れる症状としては、以下が挙げられます。
- 視力視野障害(ものが見にくい)
- 複視(ものが二重に見える)
- 感覚障害(しびれる)
- 運動障害(力が入らない、動きにくい)
- 歩行障害
- 排尿障害
- 構音障害(発声や発語が困難になる)
- 高次脳機能障害(記憶障害や注意障害など)
など
再発寛解型の場合、寛解と再発を繰り返すことが特徴です。適切な治療によって症状が安定する寛解期*をむかえます。以前は1~2年の間に患者さんの多くにそれまでとは異なる新たな症状の再発が見られましたが、多発性硬化症の疾患修飾薬(DMD)の登場により現在では状況がよくなってきています。
また、治療が奏功しない場合は、再発と寛解を繰り返しながら徐々に神経症状全体が慢性的に増悪していき、“二次性進行型”となります。
*寛解期:症状が治っている期間あるいは症状は残ったままだが、増悪や進行はみられない期間。
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