原因
多血症は血液中の赤血球の濃度が高くなることによって引き起こされる病気です。多血症は“相対的多血症”と“絶対的多血症”の2つのタイプに大きく分けられ、それぞれ以下のように原因が大きく異なります。
相対的多血症
血液中の血漿と呼ばれる液体が少なくなり、赤血球の数自体は変わらないものの相対的に赤血球の濃度が高くなるタイプの多血症です。主な原因は下痢、嘔吐、大量の発汗などで体の中の水分が失われて血漿が減少することとされています。
一方で、相対的多血症の中には、喫煙習慣やアルコール摂取、精神的なストレスが誘因となって明らかな脱水などがないにもかかわらず多血症になる“ストレス多血症”と呼ばれるものも知られています。
絶対的多血症
赤血球の産生量が実際に増えることで濃度が高くなるタイプの多血症です。
絶対的多血症は、赤血球の産生が制御されず次々と産生されていく骨髄増殖性疾患に分類される“真性多血症”と、ほかの原因によって赤血球の産生が促される“二次性多血症”に分けられます。
真性多血症の原因は、JAK2と呼ばれる遺伝子の変異によるものが大半であるとされています。一方、二次性多血症の原因は多岐にわたります。赤血球は全身に酸素を運搬するはたらきがあるため、肺の病気や過度な喫煙習慣、高地での居住などにより慢性的に体内の酸素が不足することによって過剰に産生されるようになります。また、赤血球はエリスロポエチンと呼ばれるホルモンのはたらきで産生が促されるため、エリスロポエチンを産生する腫瘍や腎臓の病気が原因で二次性多血症を引き起こすこともあります。
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