原因
夜尿症の根本的な原因は、膀胱内にたまった尿の量が膀胱の許容量を超えてしまうことです。当然ながら、睡眠中も日中と同じく腎臓では尿が産生されますが、脳下垂体から“抗利尿ホルモン”と呼ばれる尿の産生を抑制するホルモンが睡眠中により多く分泌されるようになるため、尿量は日中よりも減少します。しかし、多くの尿がたまって膀胱の壁が刺激されると、就寝中でも尿意を感じるようになります。通常は睡眠中であっても尿意を感じると目が覚めるものですが、小児は眠りが深いため尿意を感じても覚醒することができず、結果として尿失禁を引き起こすと考えられています。
さらに、小児は膀胱の大きさや機能が未熟なため、多くの尿を蓄えられず、尿意を感じる前に膀胱が収縮して尿失禁を引き起こしやすいのも1つの要因です。そのほか、精神的なストレスや環境の急激な変化なども夜尿症の原因となることがありますが、現時点では夜尿症とそれらの要因との関連は解明されていません。
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