概要
かつては副鼻腔炎といえば、好中球によるもの(細菌感染)が主体だったのですが、2000年頃から治療に抵抗性を示す難治性の副鼻腔炎が増えてきました。手術によって摘出したポリープや副鼻腔の粘膜を組織学的に調べたところ、好酸球による浸潤がみられたことから「好酸球性副鼻腔炎」と命名されました。 好酸球性副鼻腔炎は、通常の副鼻腔炎と異なり、いわゆるアレルギー的な過敏症を呈するもので、大人になってから喘息を発症した人に多くみられます。痛み止めの服用によって喘息を発症するアスピリン喘息を合併することも少なくありません。
原因
細菌やウイルス感染によって起こる従来の副鼻腔炎とは異なり、原因不明です。細菌性の副鼻腔炎が上顎洞に多く発生するのに対して、好酸球性副鼻腔炎は篩骨洞を中心に起こります。また、都市部に多くみられるという傾向もあるようです。
症状
症状としては次のようなものがあります。
特徴的な症状には次ものがあります。
( 1)副鼻腔の粘膜に多数の好酸球の浸潤 好酸球とは、白血球の成分のひとつでアレルギーや真菌感染のときに上昇します。鼻汁や血液を検査すると、異常にこの好酸球が増えます。
(2)篩骨洞にポリープができる 従来の副鼻腔炎が両側性かつ多発的に起こり、上顎洞に多く起こるのに対して、好酸球性副鼻腔炎は篩骨洞に多くみられます。
治療
従来の細菌性の副鼻腔炎の治療においては抗菌薬が中心となりますが、好酸球性副鼻腔炎の場合には過敏性を抑える必要があるため、ステロイド剤が中心となります。 ステロイド剤を点鼻したり、ひどい場合には内服したりします。副鼻腔の周辺をきれいに洗浄したあと、点鼻薬やスプレー剤によるステロイドを投与して、過敏症の再発を防ぎます。
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後鼻漏の対策
病院で副鼻腔炎と診断されましたが、最近鼻の奥に鼻汁が流れて何詰まってるような感覚になり嫌な臭いがします。副鼻腔炎のように頭痛がするわけではないのですが、前に鼻汁が出て来ないのでとても不快で、気分が悪くなる事もしばしばです。対策をお願いします。
副鼻腔炎の手術について
好酸球性副鼻腔炎と言われずっと通院していますが良くならず、先日ついに主治医の先生がポロっと「手術も考えないとね」と言っていたのを聞いてしまいました。 ネットで調べると、最近はカメラを使ってやれるみたいな記事をみましたが、どういう手術をするのでしょうか? いまいちピンときません。ちゃんと手術を勧められる前に心構えをしておきたいので、教えて下さい。
副鼻腔炎の術後の症状
今年二月左鼻の副鼻腔炎の内視鏡手術を受けました。その直後から手術した側の前歯とその根本に麻痺したような違和感が残り二ヶ月ほどすると左側の鼻だけまた青っぽい鼻水が出て頭痛、頬の痛み、目が染みるなどの症状が出始め、別の耳鼻科にて診てもらい一ヶ月以上抗生剤治療しましたがよくならずCTをとりましたが多少の副鼻腔炎が残っているものの痛みが出るほどでなく、よくわからないと言われてしまいました。抗生剤を飲まないと症状は悪化します。前歯に虫歯などはなく過去治療もしてません。どの診療科にいけばよいでしょうか?
微熱、倦怠感続く
今月9日より37度以上になる日が11日間ある。1日の中で体温変動あり。最高は、37.4。その前の4日に38.3、翌日37.4、さらに翌日36度台に戻った経緯あり。先月終わりに好酸球性副鼻腔炎の手術をし、その後大量出血した為、貧血と言われている。若干の倦怠感や歩行時の息切れ、疲れやすさあり。次回診察まで間があり、不安。貧血だけの症状なのか?咳などはなし。コロナも心配です。
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