原因
心臓は、大きく分けて「心房」と「心室」という役割が異なる2つの部屋に分けられます。このなかでも心室は全身や肺への血液を送る役割を担っています。十分な量の血液が心室から送り出されるためには、心房から心室への規則的な電気活動が重要です。
しかし、心室頻拍が生じる状態では、何かしらの原因により心房からの規則正しい電気活動とは無関係に、心室自身の規則的なペースで活動をするようになります。つまり、心室頻拍は、正常な電気活動とは別の電気活動のルートが形成されることで発症します。
心室の電気活動に異常が生じた結果、全身に必要な血液を十分送ることができなくなります。特に持続時間が長い場合(30秒以上)や、心電図において電気活動の形が異なるタイプの(多形性心室頻拍)は、命にかかわる可能性が高いため危険です。
心室頻拍は、心筋梗塞や心筋症、弁膜症、先天性心疾患、心サルコイドーシスなどの心疾患により発症する「器質性心室頻拍」と、明らかな心臓病がみつからない「特発性心室頻拍」とに分けることができます。
このなかでも器質性心室頻拍は重症度がより高く、心室細動(心室が小刻みに震えている状態)へと移行して血圧低下から意識消失に至る危険性が高いです。同様の危険性は特発性心室頻拍でもありますが、器質性心室頻拍と比較すると危険性は低いといえます。
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