治療
慢性リンパ性白血病は完全な治癒は難しく、抗がん薬を用いた薬物治療を中心に症状や病状をコントロールしていく治療が行われます。適切な治療を続けることで長生きする方も多くいます。
予後不良とされる染色体異常(染色体17pの欠失)がある場合や、薬物治療の効果があまりみられない場合は、造血幹細胞移植が行われることもあります。しかし慢性リンパ性白血病は高齢者に多い病気であり、実際に造血幹細胞移植が行われることはあまりありません。
薬物治療
抗がん薬を用いた化学療法や、分子標的薬を用いた分子標的治療が行われます。
化学療法は70歳未満で合併症がない場合は、複数の抗がん薬を組み合わせる多剤併用療法が行われます。通常量での多剤併用療法が難しい場合は、1種類の抗がん薬を投与する単剤投与や、投与量を減量して治療を行います。
分子標的治療は、がん細胞の増殖に関わる物質をターゲットとする治療薬です。場合によっては、抗がん薬と組み合わせて用いられることもあります。
抗がん薬治療を始めると、数か月にわたって骨髄抑制(血液成分が減り、感染しやすい状態になること)や吐き気、嘔吐、下痢、脱毛などの副作用がみられることがあります。しかし、副作用を予防したり軽減したりする支持療法と呼ばれる治療を同時に行うことで、副作用の症状をコントロールしながら治療を進めることができます。
造血幹細胞移植
造血幹細胞は骨髄で生成され、血液細胞の元となる細胞で、造血幹細胞を骨髄に移植することで骨髄機能を回復させることができます。
染色体異常(染色体17pの欠失)や標準的な薬物治療で効果が得られない場合、この治療が行われることがあります。しかし慢性リンパ性白血病は高齢者に多い病気であり、実際に造血幹細胞移植が行われることはあまりありません。
医師の方へ
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