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新生児溶血性黄疸

最終更新日:
2018年09月06日
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2018/09/06
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概要

新生児溶血性黄疸とは、母親と胎児の間に血液型の不一致があることを原因として、母親の抗血液型抗体が新生児の血球を破壊し、赤ちゃんに高度の黄疸と貧血を来す疾患を指します。Rh式血液型不適合の際に生じることが代表的です。

新生児溶血性黄疸では強い黄疸が引き起こされ、活気不良や哺乳力の低下、甲高い泣き声などの症状が出現します。治療では、黄疸に対する光線療法や交換輸血などが行われます。

原因

新生児溶血性黄疸は、お母さんとお腹の中の赤ちゃんの血液型が異なることを原因として生じます。

血液型のひとつとして赤血球の「Rh抗原」が知られていますが、この抗原の形態に応じてRh(-)、Rh(+)といった血液型が決定されます。新生児溶血性黄疸は、お母さんがRh(-)、赤ちゃんがRh(+)である場合に生じるRh式血液型不適合が原因となることが代表的です。

Rh(-)のお母さんは、通常、体の中にRh抗体を有していません。しかし、初回妊娠時に赤ちゃんがRh(+)であるとき、Rh(+)の血液輸血を受けたとき、などにお母さんの体の中でRh抗体が産生されます。

Rh抗体がお母さんの体内に存在した状態でRh(+)の赤ちゃんを妊娠すると、お母さんから赤ちゃんにRh抗体が移行します。母親由来のRh抗体は、赤ちゃんのRh(+)の赤血球を攻撃してしまい、赤血球が破壊されてしまいます。これに関連して強い黄疸と貧血が生じる新生児溶血性黄疸が発症します。

症状

新生児溶血性黄疸では、赤血球が破壊されることと関連して、強い貧血と黄疸が引き起こされ、活気不良や哺乳力の低下、甲高い泣き声などの症状が出現します。

黄疸の程度が強くなると、意識レベルの低下や姿勢の異常、けいれんも生じ、長期的な合併症として脳性麻痺を生じることもあります。

新生児溶血性黄疸の程度が強い場合には、胎児期に亡くなってしまうこともあります。

検査・診断

新生児溶血性黄疸では、黄疸の程度を確認するために、血液検査によるビリルビンの評価が行われます。

また、お母さんとお子さんの血液型の確認やクームステストなどの検査も行われます。クームステストでは、お母さんの血液によりお子さんの赤血球が破壊されるかどうか確認されます。

新生児溶血性黄疸は、胎児期に症状が引き起こされることがあります。そのため、胎児エコーによる評価や羊水検査などが行われることがあります。

治療

新生児溶血性黄疸が生じた際には、黄疸に対して光線療法や交換輸血といった治療を行うことがあります。貧血の程度が重篤な場合には、輸血が必要であることもあります。胎児期に症状が重篤化することもあるため、早期の分娩を促したり、胎児に輸血が行われたりすることもあります。

交換輸血

血中の抗体及び、抗体と結合した赤血球を交換することによって根治的に重症黄疸(新生児溶血性疾患=母児間血液型不適合)を治療する方法です。臍帯静脈もしくは橈骨動脈に留置カテーテルを挿入しそこから瀉血して全血の2倍の交換血液を末梢静脈に注入します。

ガンマグロブリン投与

赤血球に抗原抗体反応で結合した抗体(IgG抗体)のFC部分が脾臓や肝臓の細胞にあるFCレセプターと結合して血管外溶血を起こします。

そこで、大量のガンマグロブリン1g/kgを点滴静注することで、このFCレセプターに前もって結合させて、抗体と結合した赤血球がFCレセプターに結合するのをブロックして溶血を防ぐと考えられています。出産後72時間以内に治療することが大切です。

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