症状
新生児肝炎の初発症状は、黄疸であることが多いです。新生児肝炎の病気の本体は肝内胆汁うっ滞であることを「原因」において記載しましたが、胆汁は黄色をしています。肝臓の外に排泄できない胆汁は一部血液の中に入り込み、結果として「黄疸」の症状が出現することになります。
特に眼瞼結膜(白目に当たる部分です)において、黄疸症状を指摘することができます。黄疸成分は痒みを起こすことになり、痒みのために落ち着きがない、といった症状をみることがあります。
さらに、体内に蓄積した胆汁成分は尿中に排泄されるようになります。したがって、尿の色が褐色調に変化します。また、正常の便の色は胆汁由来の色ですので、胆汁が便に充分量存在しない結果として、白色便といった症状を呈するようになります。
また、肝臓内に胆汁が滞ることから、肝臓が腫れる「肝腫大」と呼ばれる症状を示すこともあります。肝腫大に続発して、解剖学的に連携性のある脾臓も腫大する「脾腫」を起こすこともあります。 消化管内に分泌される胆汁は、脂肪成分を中心とした栄養素の吸収に際して必要不可欠な物質です。
胆汁分泌が障害される新生児肝炎においては、栄養吸収障害を反映した症状をみることもあります。すなわち、体重増加不良をみたり、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)吸収障害に関連した症状をみたりします。たとえばビタミンDであれば骨の成長に影響が及びますし、ビタミンK欠乏になると出血傾向を示すことがあります。
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