せいじょうぶんべん

正常分娩

最終更新日:
2020年06月30日
Icon close
2020/06/30
更新しました
2020/06/11
掲載しました。
この病気の情報を受け取るこの病気は登録中です

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

医師の方へ

概要

正常分娩とは、妊娠37~41週の間に医学的な処置を行うことなく自然に陣痛が生じ、平均的な所要時間を逸脱せずに胎児と胎盤などの付属物が娩出される経腟分娩ことを指します。また、母児共に健康で、分娩による何らかの障害を受けないことも条件のひとつとされています。

“分娩”とは、娩出力(陣痛と母体がいきむ力)によって児と付属物が産道から母親の体外に排出され、妊娠が終了する現象のことです。通常は陣痛(子宮収縮に伴う痛み)が生じることによって始まり、医学的な処置をせずに分娩を終了するには、十分な子宮収縮と母体がいきむ力である“娩出力”、十分に拡張した“産道”、骨盤と産道を通り抜けられる頭の大きさで適正な体位を保った胎児と胎児の娩出と共に自然に剥がれ落ちる胎盤を指す“娩出物”の三つの要素が必要です。正常分娩はこの“娩出力”、“産道”、“娩出物”の3要素が整った状態となって初めて実現可能となります。

なお、正常分娩は病名ではありません。また、どのような分娩を“正常”とするかは医師や医療機関によって違いがあることも多いのが現状です。一般的には3要素がそろい、平均的な分娩時間を大きく超えずに医学的な処置を行わないで分娩を終了するもののことを指します。

分娩において陣痛が生じてから付属物が娩出されるまでの時間は、第1~3期と三つの段階に分けられています。このいずれかの段階で“娩出力”、“産道”、“娩出物”の3要素のどれかに異常が生じると、分娩が進行せず、子宮収縮薬の投与や帝王切開や吸引・鉗子(かんし)分娩などの医学的な処置が必要となります。

分娩の段階

分娩は陣痛が生じることによって始まり、胎盤などの胎児の付属物が娩出されることによって終了します。一般的には、陣痛の間隔が10分以内、または1時間のうちに6回以上の陣痛が生じた時点を“分娩の始まり”とします。分娩の始まりから終わりまでに要する時間は個人差が大きく、初産婦の場合は12~16時間、経産婦の場合は5~6時間とされています。

上でも述べたとおり、分娩は進行の程度によって三つの時期に分けられ、それぞれ次のような基準となります。

分娩第1期

分娩の開始から子宮口が全開大になるまでの段階です。この段階が分娩の大部分を占めているといっても過言ではなく、徐々に陣痛が強まりながら間隔が短くなり、子宮口が拡大していきます。また、それに伴って胎児も下降し、娩出のときを迎えます。

なおこの時期の平均的な所要時間は初産婦の場合で10~12時間、経産婦の場合で5~6時間であるとされており、それぞれ30時間、15時間以上掛かるものは“遷延(せんえん)分娩”と呼ばれ、正常分娩とは区別されます。

分娩第2期

子宮口が全開大した後、胎児が娩出されるまでの段階です。この時期では胎児が狭い骨盤を通り抜けるために4回の回旋を行い、胎児の頭が順調に下りてくるか否かで正常分娩かそうでないかが決まります。

なお、この時期の平均所要時間は初産婦で60分、経産婦では30分とされ、それぞれ2倍以上の所要時間となる場合は“正常でない”と捉えられます。

分娩第3期

胎児が娩出されてから胎盤などの付属物が娩出されるまでの段階です。胎児が娩出されると、子宮は縮小していったん弛緩し、再び軽度な収縮が始まって胎盤が子宮の壁から剥がれ落ちます。この時期の所要時間は20~30分ほどですが、1時間以上掛かる場合は“正常でない”と考えられ、胎盤の癒着や子宮の弛緩などが疑われます。

検査・診断

分娩中には母体や胎児の状態、分娩の進行状況などを調べるため次のような検査が行われます。

内診

子宮口などを触知することで子宮口の開き具合や硬さ、胎児の頭の方向、位置などを調べる検査です。分娩の進行度を評価するために必須の検査であり、通常は分娩中に医師や助産師によって適時実施されます。

分娩監視装置

腹部に胎児の心拍と子宮収縮の状態を感知できるセンサーを装着し、胎児の状態や子宮収縮の強さ、間隔などを調べる検査です。特に胎児の状態を評価するのに適した検査であり、通常は分娩の開始から終了まで装着を続けます。

治療

正常分娩は医学的介入をほぼ行わない分娩のことを指すため、当然ながら分娩前、分娩中、分娩後で特別な治療は必要ありません。

しかし、胎児を娩出する際に会陰部に裂傷が起こることがありますので、助産師や医師による会陰のマッサージなどが行われ、会陰が避けないよう“いきみのがし”などの指示が出されます。また、娩出前にあらかじめ会陰部を切開して裂傷を防ぐ会陰切開や、分娩の際に会陰部が裂けた場合の縫合などの治療が行われることがありますが、これらの介入は正常分娩の範囲内とされています。

第2期では胎児の頭の急激な娩出を避けるため、出てきた胎児の頭を支えながら会陰を保護するなどの介助を行うのが一般的です。

医師の方へ

医師向けの専門的な情報をMedical Note Expertでより詳しく調べることができます。

この病気を検索する

「正常分娩」を登録すると、新着の情報をお知らせします

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

実績のある医師をチェック

正常分娩

Icon unfold more