概要
気管支喘息重積発作とは気管支喘息の発作分類の1つで、喘息発作が24時間以上にわたって続くもののことです。
気管支喘息は気道に炎症が起こることで空気の通り道が狭くなり、咳、喘鳴、痰、呼吸困難などの呼吸器症状を発作的に繰り返す病気です。
気管支喘息重積発作は喘息の中でも特に重い症状のことで、発作を抑える治療を行っても長時間にわたって激しい発作症状を繰り返します。気管支喘息重積発作が起こると、肺における酸素と二酸化炭素の交換が正常に行われなくなるため、多くの臓器の機能が低下し、命に関わることもあります。
原因
気管支喘息重積発作は、気管支喘息の発作の中でももっとも重いものです。気管支喘息を悪化させる原因にはさまざまなものがあり、その人の体質(アレルギー体質、気道の過敏性、遺伝素因など)と、アレルゲン、呼吸器の感染症、大気汚染、喫煙、ストレス、特定の薬剤(アスピリン、NSAIDsなど)、アルコール、肥満、月経、妊娠などの環境要因があります。
また、気管支喘息は発作を起こすことで気道が過敏な状態や気道リモデリング(発作が治まっても気道が元に戻らず、狭いままになること)を引き起こし、喘息発作を繰り返しやすくなる特徴があります。
症状
気管支喘息重積発作は、咳、喘鳴、痰、呼吸困難といった喘息発作が24時間以上持続します。
重篤な喘息発作では呼吸がほとんどできないため、喘鳴が小さくなったり、チアノーゼ(皮膚が青っぽくなること)がみられたり、呼吸が停止したりすることがあります。また、会話や体を動かすことはできないことが多く、錯乱、意識障害、失禁などがみられることもあります。
検査・診断
気管支喘息重積発作は、発作強度や発作の持続時間から判断されます。PEF、SpO2、PaO2、PaCO2といった呼吸機能の検査値も発作強度を判断する指標となります。
また、可能であれば胸部X線撮影や喀痰細菌検査、血液検査などを行い、重い呼吸器症状をもたらすほかの呼吸器疾患の除外診断を行います。
治療
気管支喘息重積発作では、直ちに入院し、集中治療室(ICU)での全身管理が必要になります。気管支拡張薬やステロイド薬、アドレナリン皮下注、アミノフィリン点滴などの薬物投与および酸素吸入を行います。それでも症状が改善しない場合は、気管内挿管や人工呼吸器の使用が必要になることもあります。
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