症状
無痛性甲状腺炎は、甲状腺の細胞破壊と共に血液中の甲状腺ホルモンが過剰に増加する病気です。細胞は破壊されていますが、基本的に甲状腺に痛みは生じません。一方、甲状腺ホルモンが過剰になるので、甲状腺機能亢進症状を呈するようになります。具体的には、次のような症状です。
- 脈が速くなる
- 心臓がドキドキする
- 疲れやすい
- 息切れがする
- 眠れなくなる
- 体重が減る
など
このような症状は、バセドウ病の症状と類似しています。無痛性甲状腺炎による甲状腺ホルモン過剰状態は、細胞の破壊をきっかけにしており、細胞が修復するにつれて甲状腺機能亢進症状は収束することになります。つまり、甲状腺ホルモン過剰状態が1~2か月ほど持続した後に状態は沈静化します。
治癒の過程で甲状腺機能低下を示し、体温低下などの症状をみることもあります。無痛性甲状腺炎による甲状腺ホルモン過剰症状は軽度の場合が多く、見逃されることも少なくないため、その後の一過性の甲状腺機能低下症で気付かれることもあります。なかには永続的に甲状腺機能が低下する方もいますが、多くの方は甲状腺機能が最終的に正常化する経過をとります。
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