検査・診断
無痛性甲状腺炎の初期は、バセドウ病と類似の症状が見られるので、症状(脈が速くなる、心臓がドキドキする、疲れやすいなど)や血液中の甲状腺ホルモン濃度を確認するのみでは、バセドウ病との区別ができません。
また、バセドウ病は自己免疫疾患としての側面があり、抗TSH受容体抗体(TRAb、TBII)やTSH刺激性受容体抗体(TSAb)と呼ばれる自己抗体を有しています。ときに無痛性甲状腺炎でもTRAbが陽性になることがあるため、鑑別に困難を伴うことがあります。
より明確に無痛性甲状腺炎を診断するためには、放射線性ヨウ素摂取率検査、あるいはテクネシウムの摂取率検査を行う必要があります。無痛性甲状腺炎の病初期では甲状腺の組織が破壊されていることを反映して、摂取率が低下していることが確認されます。また、甲状腺の超音波検査で、バセドウ病は甲状腺内の血流増加が確認されるのに対して、無痛性甲状腺炎では正常かむしろ低下していることが確認されます。
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