とくはつせいもんみゃくあつこうしんしょう

特発性門脈圧亢進症

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概要

特発性門脈圧亢進症とは、肝臓内部の末梢門脈枝の閉塞(ふさがること)、狭窄(せまくなること)により門脈圧亢進に至る症候群のことをいいます。日本では、人口100万人に対し9.2人の方がかかっていると推定され、男女比は約1:3、発症のピークは40~50歳代と中年女性に多い疾患です。

原因

原因はいまだに不明ですが、本疾患は中年女性に多発し、血液検査で自己免疫疾患と類似した特徴が認められ、自己免疫疾患を合併する頻度も高いことから、自己免疫異常があると考えられています。他には肝臓内部の門脈という血管内の血栓(血液の凝固したもの)、脾臓がこの病気の原因などではといわれています。

症状

食道胃静脈瘤

門脈圧が高まると、血流は圧力から逃れようとして逃げ道を発達させます。この逃げ道を「側副血行路」と呼び、食道胃静脈瘤はこの側副血行路のひとつです。静脈瘤が破裂して吐血(血を吐くこと)や下血(便に血が混じること)をきたすことがあります。

腹水・胸水貯留

腹水が貯留すると腹部膨満感、胸水が貯留すると呼吸困難感を引き起こすことがあります。また、特に感染源がないのにもかかわらず腹水に細菌が感染し、発熱や腹痛を伴う特発性細菌性腹膜炎を起こすこともあります。

脾腫・脾機能亢進症

脾腫(脾臓が腫れること)による腹部膨満感が生じます。また脾機能亢進による血球成分の破壊が原因となり、全身倦怠感(白血球減少による)、鼻血などの出血傾向(血小板減少による)、貧血(赤血球減少による)などの症状が認められます。

検査・診断

この疾患は症候群(特定の疾患を基盤として現れる身体・精神症状)として認識されていて、また病期(病気の進行度合いがどの程度か)により病態が異なることから、血液検査や腹部超音波やCT検査、門脈造影検査などの画像検査所見、顕微鏡により肝臓の組織を見る病理検査所見などによって総合的に診断される必要があり、確定診断は病理組織学的所見(肝臓の組織を顕微鏡で直接確認)に裏付けされることが望ましいとされています。

治療

静脈瘤の出血例には「緊急内視鏡的止血術(胃カメラを使い出血を止める)」、予防的治療には内視鏡的治療、または手術治療を考慮します。脾機能亢進に対する治療としては、「部分的脾動脈塞栓術(脾臓に栄養を運ぶ動脈の一部を詰まらせることにより、脾臓の一部を壊死させる方法)」や「脾摘術(「脾臓を外科的に切除する方法)」を考慮します。

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