検査・診断
疼痛には急性疼痛と慢性疼痛があります。両者の原因と治療法は異なるため、しっかりと鑑別を行うことが重要です。
急性疼痛は身体的な病気や外傷が原因となるケースが多く、診断を下すためには痛みが発生した状況、痛みの性状や強さ、範囲などを詳しく聞き取ります。
そのうえで、以下の検査を行い精査することで、急性疼痛の原因となっている病気や外傷を判断し治療します。
- 画像検査(超音波、X線、CT、MRIなど)……病気や外傷の有無、程度などを確認します。
- 血液検査……内臓機能の異常、ホルモン系の異常、炎症反応の有無などを確認します。
- 電気生理学的検査……神経や筋肉に異常がないか調べるため、末梢神経伝導速度検査*や筋電図検査**などを行います。神経障害性疼痛が疑われる場合に行います。
一方、慢性疼痛は原因が分からないことが多いため、治療できる病変がないことを確認することが検査・診断の主目的となります。慢性疼痛を診断できる画像検査、血液検査などはありません。
*末梢神経伝導速度検査:皮膚の上から運動神経や感覚神経を電気刺激することで、刺激が神経を伝わる速さを調べる。
**筋電図検査:筋肉に細い電極針を刺し、力を入れたり抜いたりした際の筋肉の電気的活動を記録する。
参考文献
- 慢性疼痛診療ガイドライン作成ワーキンググループ「慢性疼痛診療ガイドライン」真興交易株式会社医学出版部.2021年7月.P24
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