検査・診断
直腸脱が疑われる場合、まずは視診が検討されます。視診で直腸の脱出が確認できれば診断につながりますが、体勢などによっては脱出しないこともあるため、座った状態でいきんで直腸が出るか確認します。なお、診察でうまく直腸の脱出が確認できない場合でも、直腸が脱出したときの写真を患者自身が撮影・提供することで、診断がつくことがあります。
なお、直腸脱のように肛門から体の一部が出てきてしまう病気として、痔核が挙げられるため、両者を見分けることが大切です。また女性であれば直腸瘤、膀胱瘤、子宮脱、小腸瘤などを合併しやすいため、これらの病気を生じていないかについても確認します。
そのほか、以下のような検査が検討されることがあります。
排便造影検査
お尻から専用のバリウムを注入し、それを排泄する様子をX線で連続撮影することによって便の排泄の状況を確認する検査です。また、近年はこの検査の代わりに3D-CT検査やMRI検査を行う医療機関もあります。
肛門内圧検査
肛門に細い管を挿入し、肛門を閉じる圧力を測定する検査です。直腸脱が生じている場合、圧力が低下している傾向にあります。
大腸内視鏡検査
肛門から内視鏡(いわゆる大腸カメラ)を挿入し、大腸の内部を観察する検査です。特に肛門から飛び出した直腸にびらんや発赤など、何らかの病変がみられる場合に行われることがあります。ただし、体に負担がかかりやすい検査でもあるため、患者の年齢や全身状態に応じて実施するか慎重に検討されます。
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