治療
定期的(週に1回程度)に体重を測り生命に危険が及ぶレベルの低体重の有無を確認しつつ、精神療法を中心に時に薬物治療を行い、場合によっては栄養補給剤などを用いて治療します。拒食症は自己評価の低下や傷つきをめぐって心理的な不安を抱えていることが多く、体重をコントロールすることを通して自己評価を保ったり周囲の人にSOSを発したりしていることが少なくありません。そのため、自力での努力のみで治療が完了するわけではなく、家族をはじめとする周囲の理解と協力が神経性やせ症の治療には不可欠です。特に不安定な家庭環境のなかで育った患者さんの場合は、自分が病気になることにより家庭環境が抱えた問題を具現化しているとも考えられます。いずれにしても、家族の理解と協力は治療を進めるうえで不可欠といえます。
拒食症の患者さんは、体重増加という自己評価の低下につながる食事摂取に対して、強い心理的な抵抗を感じていることから、少しずつその抵抗や恐怖感を減らせるように患者-治療者関係を築きながら、丁寧に対話を重ねていくことになります。また、体重減少が一定レベルを超えると生命の危機に瀕することがあります。その際には、入院したうえで緊急の身体的治療介入が必要となります。
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