症状
拒食症では極端な体重減少をみることになります。体重減少の程度は、標準体重に比べてどの程度下回っているかという指標で図られます。また食行動の異常としては、隠れ食いや食べたものを後から吐くといった行動を呈することもあります。体重増加に対しての恐怖感は強く、客観的にはやせているにもかかわらず「まだ太っている」と感じるようになります。女性であれば生理が大半のケースで来なくなります。
食事摂取が適切になされてない状況では、血圧や体温も低めとなります。そのほか、各種臓器の機能障害も生じてきます。循環器・呼吸器系、肝機能障害、血液系(白血球が極端に減少し、低血圧・貧血を起こす)、消化器系(胃がものを消化しない状態が長く続いたため、消化器系の運動機能が著しく低下する)、筋力低下・骨折所見、皮膚症状(寒さから身を守るため、腕や背中などに産毛が密集して生えてくる)、内分泌・代謝系(無月経になる)、腎・泌尿器系(尿・発汗の減少)、唾液腺・口腔内所見など、身体的な症状も全身に及んでいきます。
体の悲鳴とは裏腹に、拒食症の人では活動度が高いことも特徴です。しかし、生命の基本的な維持すらできないほどの状況になることもまれではなく、死亡率は6~20%にも及ぶと報告されています。
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