粃糠性脱毛症

概要

粃糠性脱毛症とは、頭全体に細かい灰白色のフケが発生して毛髪が薄くなる病気です。皮脂の分泌により頭皮に炎症を起こすことが原因となります。

粃糠性脱毛症の治療を行う場合、頭皮の炎症を抑えるステロイド剤や皮脂の分泌を抑える外用薬を塗る治療法が一般的です。また、炎症にともなうかゆみを抑えるための飲み薬（抗ヒスタミン薬）を併用することもあります。

原因

粃糠性脱毛症は、頭皮に炎症が生じることを原因として発症する脱毛症です。頭皮に炎症が生じると、大量のフケが生じます。フケによって毛穴が閉ざされてしまい、それと関連して脱毛が増えることが原因のひとつであると考えられています。

フケが生じる原因としては、さまざまなものが考えられています。具体的には、男性ホルモンバランスの異常、ストレス、食生活の乱れ、アレルギー体質などが考えられています。

症状

粃糠性脱毛症は、特に額と頭に見ることが多いですが、その他の部位にも見られます。フケが大量に出現することにより、髪の毛の発育が著しく阻害されます。

初めのうちは完全に発毛が障害されるわけではなく、髪の毛は生えてきます。しかし、コシのあるしっかりとした髪の毛というわけではなく、もろくて細い髪の毛が生えるようになってきます。そのため、全体的に髪の毛のボリューム感がなくなり、髪が薄く見えます。

この状態を放置して病状がさらに進行すると、徐々に髪の毛の発毛が著しく障害を受けることとなり、最終的に髪の毛が完全に抜けてしまいます。

粃糠性脱毛症は、皮膚の炎症を基盤として発症する脱毛症です。皮膚の炎症を反映して、影響を受けた皮膚が赤くなり、かゆみも伴うことも特徴のひとつです。また、脱毛部位に皮膚の湿疹が伴います。

検査・診断

粃糠性脱毛症では、症状を確認し、視診や触診により脱毛を来している部分の皮膚や毛穴の状態を詳細に観察することが重要となります。脱毛の原因が他にあることが疑われる際には、検査が追加されることがあります。たとえば、皮膚の一部を採取して顕微鏡で直接観察することでカビの存在を確認したり、血液検査を行ったりすることが検討されます。

治療

粃糠性脱毛症の治療を行う場合、頭皮の炎症を抑えるステロイド剤や皮脂の分泌を抑える外用薬を塗る治療法が一般的です。また、炎症にともなうかゆみを抑えるための抗ヒスタミン薬を併用することもあります。

皮膚の炎症が、カビによってもたらされていることもあります。この場合には、カビを抑える効果をもつシャンプーを使用することがあります。また、フケをとりやすくするために尿素含有のローションやオリーブオイルを使用することも検討します。

生活習慣の乱れが病気の発症につながることもあります。そのため、規則正しい睡眠や食生活を心がけることも大切です。

また、同じ脱毛症状を示す他の疾患を併発していることもあります。円形脱毛症や男性型脱毛症などが疑われる際には、それらにより特化した治療が必要となります。

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