治療
線維肉腫の治療は、手術によって腫瘍を完全に取り切ることがもっとも重要です。
腫瘍の進行や大きさなどに応じて手術前後に薬物療法や放射線治療を組み合わせます。手術の難しい例では薬物療法や放射線治療を中心に治療を行うこともあります。
手術
線維肉腫を再発なく取り切るためには、腫瘍を正常な組織でくるむように大きく切除(広範切除術)することが必要です。
腫瘍が重要な神経や血管に接していて手術のみで広範切除が困難な場合には、手術前に薬物療法や放射線治療を行って腫瘍を小さくすることを試みてから手術を行うこともあります。また術後、再発リスクが懸念される場合は、手術後にこれらの治療を行うこともあります。
手術で広範な皮膚や筋肉、重要な血管などが欠損する場合には筋皮弁移植や血行再建などの再建手術を併用します。
薬物療法
腫瘍の切除が困難な場合や多発転移がある場合は、薬物療法を中心とした治療が検討されます。第一選択薬は“ドキソルビシン”で、第二選択薬には“エリブリン”、“パゾパニブ”、“トラベクテジン”などの治療薬が検討されます。
なお、このほかにも保険適用外の治療薬が検討されることもあります。治療を受ける際は、薬剤によって予測される効果と副作用を主治医とよく相談して方針を定めることが大切です。
放射線治療
放射線治療は手術と併用するほか、手術が難しい場合などに対して単独で行うこともあります。
2016年には手術のできない骨軟部腫瘍に対する重粒子線治療も保険適用となりました。手術による切除が難しい腫瘍には、通常の放射線治療よりも粒子線治療のほうが有効という報告もありますが、いまだ十分なエビデンスは確立されていません(2023年9月現在)。
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