こうもんぽりーぷ

肛門ポリープ

最終更新日:
2024年02月22日
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2024/02/22
更新しました
2017/04/25
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概要

肛門(こうもん)ポリープは、肛門管と直腸の境目である“歯状線(しじょうせん)”にある肛門乳頭が、過形成または炎症を起こして腫大したものです。裂肛に伴って生じることが多いといわれています。通常は無症状ですが、大きくなると違和感が生じたり、肛門の外に脱出したりすることがあります。

肛門ポリープの原因の1つである裂肛は20~50歳代で発症しやすく、女性に多いといわれています。一般的に、最初は排便の際などに肛門が強く引き伸ばされることで、皮膚の表面が切れて痛みや出血が起こります。慢性化すると傷が潰瘍(かいよう)になるほか、肛門ポリープを生じることがあります。

原因

急性裂肛で肛門ポリープを合併することはほとんどありませんが、裂肛が慢性化すると潰瘍の病態に近くなります。便汁や粘液が潰瘍内に停滞して炎症を生じるため、裂肛の口側(便が排出される側)に肛門ポリープが生じると推測されています。

しかし、肛門ポリープが生じる詳しいメカニズムや過程は分かっていません。日常臨床では、内肛門括約筋の緊張が高い、直腸肛門内圧の高い人に肛門ポリープを認めることが多いことから、内圧の刺激で乳頭が肥大するのではと推測されています。

症状

肛門ポリープは、小さい場合は通常無症状ですが、大きくなると違和感や残便感、かゆみを生じることがあります。またポリープが肛門外へ出ることもあります。

慢性裂肛に伴う肛門ポリープでは、痛みや出血、肛門狭窄(こうもんきょうさく)による排便困難など慢性裂肛の症状も生じます。

検査・診断

肛門の視診や肛門鏡を用いた肛門内部の検査、大腸内視鏡検査などを行うと診断できることがあります。慢性裂肛では、肛門の外側などに“見張りいぼ”がみられるほか、肛門の内側に肛門ポリープを確認できることがあります。

ただし、肛門ポリープのみを対象に検査・診断することはほとんどなく、核や裂肛などの検査や診断と同時に認められることが多いといわれています。

治療

肛門ポリープを単独に治療するのは、脱肛を原因とする場合で、肛門ポリープを糸でしばって切除します。裂肛によって肛門ポリープを生じた場合、裂肛に対する保存的治療を行いながら、手術治療を検討します。

保存的治療

肛門ポリープ単独に対する保存的治療法はありません。裂肛がある場合は裂肛に対する保存的治療が行われます。痛みや腫れが強い場合は、塗り薬(軟膏)による治療が検討されます。場合によっては、消炎鎮痛薬などの飲み薬を併せて処方されることもあります。

手術治療

裂肛の手術治療にはさまざまな種類がありますが、肛門ポリープがある場合は、一般的にまず肛門ポリープの切除が検討されます。裂肛によって肛門が狭くなっている場合は、併せて肛門を広げる“皮膚弁移動術(ひふべんいどうじゅつ)(SSG)”も検討されます。肛門ポリープを切除した後、手術用の糸を使って肛門の外側にある皮膚の一部を移動させることで狭まった肛門を広げます。

予防

肛門ポリープの詳しい発生メカニズムは不明のため、有効な予防法はありません。ただし、裂肛に合併する肛門ポリープを予防するためには、裂肛を予防し、悪化させないことが大切です。裂肛を防ぐためには、排便の状態を健康に保つ必要があります。便秘を防ぐために食物繊維と水分を積極的に取るよう努めるほか、下痢を繰り返さないようアルコールの摂取を控え、ストレスをためないよう心がけるとよいでしょう。

裂肛を疑う症状が現れた場合は、我慢せず早めに医療機関の受診を検討することが大切です。肛門周辺に痛み・出血が生じる病気は裂肛以外にもあります。適切な治療を受けるためにも、症状が続く際は医療機関の受診を検討しましょう。

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