原因
全身を巡って心臓に戻ってきた血液は、右心房と呼ばれる部屋に入ります。血液はさらに右心房から右心室へと送られ、その後、肺動脈を通して肺へと送り込まれます。肺動脈を流れる血液は、右心室から肺動脈へ一方向に流れる必要があるため、逆流を防ぐ仕組みが重要になります。こうした血液の逆流を防ぐことを目的として、右心室と肺動脈の間には「肺動脈弁」と呼ばれる弁構造が存在しています。
しかし、何かしらの原因で肺動脈弁が狭くなると、右心室から肺動脈への血流が滞りやすくなります。また、狭い部位に血液を送り出す必要が出てくるため、心臓に負担がかかるようになります。こうして発症する病気が肺動脈弁狭窄症です。
肺動脈弁が狭くなる原因としては、先天的なものが多いです。肺動脈弁狭窄症が単独の構造異常として発症することがある一方、他の心奇形と合併する形で発症することもあります。また、ヌーナン症候群、ケウテル症候群、ウィシアムズビューレン症候群など、先天的な遺伝子異常を有する場合や、先天性風疹症候群などに、全身疾患の一症状として発症することもあります。
肺動脈弁狭窄症は、後天的に発生することもあります。たとえばリウマチ熱やカルチノイド症候群などの疾患に関連して引き起こされることがあります。
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