原因
肺動脈弁狭窄症の多くは、生まれつき肺動脈弁に構造的な異常があることが原因です。先天性心疾患の約8%を占めるとされており、単独で発症することもあれば、心房中隔欠損症や心室中隔欠損症、ファロー四徴症などのほかの心疾患と合併することもあります。
肺動脈弁狭窄症では、肺動脈弁の開きが悪く、右心室から肺動脈への血液が流れにくくなります。そのため、右心室は狭い部位に血液を送り出すために通常以上に力を必要とし、心臓に負担がかかるようになります。その結果、進行すると不整脈や心不全を引き起こします。
また、頻度は高くないものの、ヌーナン症候群などの先天的な遺伝子異常のある患者では肺動脈弁狭窄症をしばしば合併します。日本ではまれですが、成人になってから発症するケースもあり、カルチノイド症候群*に関連して引き起こされることもあります。
*カルチノイド症候群:腫瘍(しゅよう)がホルモンを過剰に分泌し、顔の赤みや下痢などを引き起こす病気。
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