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先天性風疹症候群
妊娠初期の妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、風疹ウイルスは血液を介して赤ちゃんにも感染します。その結果、胎児に種々の合併症が引き起こされることになります。 先天性風疹症候群とは、胎児の重...
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先天性風疹症候群せんてんせいふうしんしょうこうぐん

更新日時: 2018 年 08 月 24 日【更新履歴
更新履歴
2018 年 08 月 24 日
内容を更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

妊娠初期の妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、風疹ウイルスは血液を介して赤ちゃんにも感染します。その結果、胎児に種々の合併症が引き起こされることになります。

先天性風疹症候群とは、胎児の重要臓器が形成される妊娠初期(胚芽期、胎芽期など)の妊婦が、風疹に感染することで胎児に生じる合併症の総称を指します。

風疹ウイルスは、成人や小児がかかっても、重篤な合併症を生じることなく自然に治癒することが多いです。しかし、特に妊娠初期(胚芽期、胎芽期など)に風疹ウイルスにかかると、死産や重篤な合併症が胎児に生じます。ひとたび赤ちゃんに障害が生じると、成長してからも続く永続的な影響を及ぼすことも多いです。

風疹ウイルスに対する特別な治療はありませんが、ワクチンにて免疫を付けることは可能です。そのため、妊娠可能な女性に対して積極的なワクチン接種が推奨されています。日本においては、ワクチン接種や疫学的な感染状況の把握等の努力が功を制し、報告例は激減しています。

原因

先天性風疹症候群は、胚芽期、胎芽期にある胎児が風疹ウイルスに感染することで発症します。風疹ウイルスを有する患者さんの咳や鼻水などを介して、飛沫を摂取することで他者への感染が成立します(飛沫感染)。

気道から感染した風疹ウイルスは、鼻や喉などのリンパ節で増殖をした後に、血液を介して全身へ広がります。妊婦さんが風疹ウイルスに感染した場合には(特に初感染においてリスクが高い)、血液中の風疹ウイルスが胎盤を介して胎児に運ばれることになります。

胎児の慢性持続感染は、妊娠12週までで、この時期は胎児の各器官形成期の重要な時期に当たります。この時期の持続感染は、白内障や高度の難聴、心疾患(動脈管開存、肺動脈狭窄など)を来します。

子宮内の胎児に感染した風疹ウイルスは、妊娠経過中慢性的に悪影響をもたらすようになります。

症状

風疹ウイルスが妊婦さんに感染した場合、およそ2~3週間の潜伏期間を経て症状が出現します。妊婦さんにみられる可能性のある症状は、倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れ(特に耳の後ろや後頭部の腫れ)、発疹、関節症状などです。母体における風疹は、重篤にならずに治癒することがほとんどです。

しかし、胎児に対して影響が生じることがあり、子宮内での胎児死亡に加え種々の奇形を生じることがあります。具体的に、頻度が高い合併症には、下記のようなものがあります。

  • 子宮内発育遅延:週数に比較して胎児の大きさが小さい
  • 小頭症:知能や発達に影響を及ぼす
  • 眼症状:白内障、網膜症など
  • 難聴
  • 心疾患:心不全症状を引き起こすことがある

その他、血小板減少による出血傾向や、貧血、肺炎、低ガンマグロブリン血症(免疫不全のひとつ)などを併発することもあります。先天性風疹症候群に伴う症状は出生後すぐに認めるものもあれば、成長過程を経るにつれて明らかになるものもあります。

検査・診断

先天性風疹症候群の診断は、では下記3つの検査が行われます。

  • 血液検査:風疹ウイルスに対する抗体の検出
  • ウイルス分離:風疹ウイルスそのものの同定
  • PCR法:風疹ウイルス特有の遺伝子の同定

血液検査

母体が風疹ウイルスに初めて感染した際に高値を示すIgM抗体と呼ばれる抗体が、胎児の血液から検出されます。さらに、生後数か月にIgG抗体が胎児血液中にて検出された場合にも、子宮内での風疹ウイルス感染がより強く疑われます。

ウイルス分離、PCR法

羊水や血液、尿、咽頭拭い液等を用いてこれら検査を行うことで先天性風疹症候群が診断されることもあります。

治療

風疹ウイルスに効果がある抗ウイルス薬はありません。妊娠経過中に風疹ウイルスに暴露された可能性がある場合には、先天性風疹症候群に関するリスクについてのカウンセリングがとても重要になります。

妊娠継続を判断された場合には、状況に応じて、母体に対してのガンマグロブリン投与が行われることもありますが、先天性風疹症候群の発症を予防する確実な方法ではありません。

胎児が出生した場合には、各種合併症に対応した治療が必要になります。たとえば、心疾患のなかでも、動脈管開存症と呼ばれる病気を併発することがあります。

この場合には、動脈管を閉鎖するための薬剤が点滴で投与されることがあります。場合によっては、手術(閉鎖術)が行われることもあります。また、心不全の治療も必要になります。

難聴の場合においては、補助器使用や難聴療育といった長期的な治療介入も必要になります。その他、緑内障や白内障等を認める場合には、眼科的な治療介入も必要です。

予防

先天性風疹症候群を発症すると、確実な治療方法がないため、あらかじめ風疹ウイルスに対する免疫を付けることが有効であり、ワクチンによる予防接種が強く推奨されます。

具体的には、日本においては1歳のときと小学校入学前1年間の2回、定期予防接種が設定されています。また妊娠可能な年齢の女性においても、妊娠が成立する前に予防接種を受けることが重要です。

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