検査・診断
脊椎関節炎は臨床症状の確認と問診、画像所見、血液検査などから診断されます。診断のためには、似たような症状を示す病気を除外することが大切で、専門医による判断が必要です。また、多彩な症状を示すことがあるため、膠原病・リウマチ内科や皮膚科など、複数の診療科の協力が必要な場合があります。
近年はMRI検査の有用性が確認され、以前よりも早期の診断が行いやすくなりました。
画像検査
診断のポイントとなるのはX線検査(レントゲン検査)やMRI検査などの画像所見です。X線検査では、仙腸関節や脊椎、手足の関節で脊椎関節炎に特徴的な所見(関節の炎症、関節の隙間の狭小化、関節周囲の骨が壊れる“骨びらん”、壊れた脊椎同士が一体となって付着する“竹様脊椎”、骨の異常な増殖、靱帯が骨に付く部分の異常な骨化など)が見られるかを調べます。発症の初期にはX線で異常が見られないことも多く、より早期の診断にはMRI検査が有用となります。そのほかにも、手足の関節の検査に超音波(エコー)が用いられることがあります。
臨床症状・問診
臨床症状として、腰や背中の痛みの有無、背骨の曲がりにくさ、“腰痛が安静では改善せず、運動によって改善する”といった痛みの特徴、手足の関節所見の有無などを診察します。また、問診では発症年齢、症状が出るきっかけ、家族に同様の症状の人がいるか、目や皮膚や腸など関節以外に症状があるかなどが重要な情報となります。
血液検査
血液検査では、炎症反応を示す値(CRP、赤沈)の上昇がみられます。関節リウマチで陽性となるリウマトイド因子や抗CCP抗体は、脊椎関節炎では一般に陰性となります。また、脊椎関節炎と関連の大きいHLA-B27の検査が行われることもあります。
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