治療
脱分化型脂肪肉腫の治療では、まず手術による腫瘍の切除を検討します。がん細胞が周辺組織に広がっていることも考慮し、通常は腫瘍だけでなく周辺組織も一緒に切除する広範切除術を行います。場合によっては、腫瘍周囲の臓器*の合併切除が必要になることもあります。
切除が難しい場合や転移がある場合には、化学療法や放射線療法が行われます。化学療法ではドキソルビシンの単剤投与が第一選択となっています。このような治療を行っても、脱分化型脂肪肉腫はほかのタイプと比べて再発や転移が起こりやすく、2年前後で約50%の人に局所再発が生じるといわれています。しかし、最近ではMDM2阻害薬やCDK4阻害薬など新薬の開発が進められており、切除が難しい脱分化型脂肪肉腫に対する有効な治療法として効果が期待されています。
*腫瘍周囲の臓器:四肢などでは皮膚、筋肉や骨。後腹膜腔では腸、肝臓、脾臓、膵臓など。
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