原因
腸管出血性大腸菌感染症の原因となる腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素と呼ばれる毒素を産生しています。すなわち腸管出血性大腸菌はベロ毒素を産生する病原性大腸菌です。ベロ毒素はVT1とVT2という2種類に分けられます。
また、病原性大腸菌はO抗原(大腸菌の細胞壁のリポ多糖体の最外層部)によっていくつもの種類に分けられます。このうち、集団感染を起こして世界的に問題となった、腸管出血性大腸菌の代表的なO血清型がO157です。日本ではそのほかの腸管出血性大腸菌としてO111血清型、O26血清型も比較的多く報告されています。
腸管出血性大腸菌の感染は、何らかの経路で菌に汚染された飲食物や感染者の糞便で汚染されたものを口にすることで起こります。熱に弱く、75℃で1分間加熱すれば死滅しますが、低温条件に強いため冷凍庫では生き残ると考えられています。
また、酸性条件にも強いため胃酸の中でも生き残ります。感染が成立するために必要な菌の量はわずか100個程度とされており、感染者から周囲へと広がりやすいという特徴があります。
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