検査・診断
膵炎の診断にはCT検査が有用です。そのほかにも補助的な診断や全身状態を評価する目的で、血液検査や他の画像検査、消化酵素やホルモンの分泌能を評価する検査などが行われます。
画像検査
造影剤を用いたCT検査が有用です。急性膵炎では、膵臓の腫れや周囲の炎症がみられ、慢性膵炎では膵管の拡張や膵石がみられます。
腹部超音波検査やMRCP検査なども膵管や膵石の状態を確認することができますが、第一に選択されるのは造影CT検査でしょう。
また簡便に行えるX線検査では、腸閉塞や膵石を確認することができ、急性腹症の場合には緊急的に消化管穿孔などとの鑑別が行えます。
血液検査
膵臓と全身の状態を評価するために行われます。
膵酵素であるアミラーゼとリパーゼは、急性・慢性共に上昇しますが、慢性膵炎の末期ではこれらの酵素が減少するため、慢性膵炎の進行度を評価する目的で定期的に検査されることがあります。
また、急性膵炎では炎症反応が上昇し、血小板や凝固因子の現象がみられます。重症例では、膵臓組織の壊死によってカルシウムの低下とLDHの上昇が見られるため、これらは重症度を評価する指標の1つとなります。
膵外分泌能検査
膵臓の消化酵素であるアミラーゼやリパーゼの分泌能を評価するものです。尿を採取して膵臓の外分泌機能を確認するPFD試験や、便中の脂肪量を評価する検査などが行われます。
膵内分泌能検査
慢性膵炎で行われる検査ですが、主にインスリンの分泌能を評価する検査です。検査方法は一般的な糖尿病の検査と同様で、血糖値やHbA1c値の測定、糖負荷試験などが行われます。
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