きゅうせいふくしょう

急性腹症

最終更新日:
2022年04月21日
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2022/04/21
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概要

急性腹症とは、緊急手術を含む迅速な対応が必要となる可能性が高いと考えられる強い腹痛が生じる病気の総称であり、一般的には1週間以内に発症したものを指します。

急性腹症の原因には、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢(たんのう)・胆管、膵臓(すいぞう)、腎臓、血管、子宮、卵巣などの腹部にある器官の病気だけでなく、食道や肺、心臓などの胸部の病気、自己免疫性疾患などの全身性の病気も含まれます。

急性腹症を引き起こす病気は早急な対応をしないと命を落とす可能性があるものもあるため、発症が疑われた場合は速やかに医療機関を受診し血液検査や画像検査などを行って原因となる病気を特定する必要があります。

原因

急性腹症は急激に強い腹痛が生じる病気の総称です。“腹症”とされていますが、お腹に痛みが放散するような胸の病気や全身性の病気も含まれています。

具体的には、お腹の病気としては

などが挙げられます。

また、胸の病気としては

などが急性腹症の原因になります。

一方で、急性腹症は尿毒症甲状腺機能亢進症糖尿病性ケトアシドーシスなどの全身性の病気によって引き起こされることもあり、診断が難しいケースも少なくありません。

まれな病気による急性腹症

急性腹症は強い腹痛が生じるためお腹の病気と思われがちですが、原因は多岐にわたります。中には、遺伝性血管性浮腫急性肝性ポルフィリン症、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、鎌状赤血球症などの珍しい病気が原因であるケースもあります。

原因が不明な腹痛を繰り返す場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

症状

急性腹症の原因となる病気は多岐にわたるため、痛みの部位や強さは大きく異なります。

一般的には、全身性の病気や腹膜炎を起こし得るような病気の場合は、腹部全体が広く痛みます。一方、肝臓や胆嚢、十二指腸の病気の場合は右上腹部、胃や脾臓(ひぞう)の病気の場合は左上腹部、虫垂炎などでは右下腹部、虚血性腸炎などは左下腹部、腹部大動脈解離子宮外妊娠などの場合は下腹部全体に痛みが生じることが多いとされています。

また、急性腹症は原因によって発熱、嘔吐、下痢などの症状を伴うことも多く、重症な場合には敗血症を引き起こすことも少なくありません。早急な治療をしなければ命を落とすこともあります。

検査・診断

急性腹症が疑われる場合は、早急に原因となる病気を鑑別してそれぞれに適した治療を行っていくことが大切です。痛みの程度や性質、全身の状態を把握したうえで次のような検査が行われます。

血液検査

炎症の程度や貧血の有無など、全身の状態を評価するために血液検査が必要になります。また、必要に応じて肝機能や腎機能などの評価も行われます。

画像検査

緊急性が高い場合は、まず腹部超音波検査やX線検査で重篤な病気の有無の確認が行われます。さらに必要に応じてCT検査が一般的に行われます。

内視鏡検査

食道、胃、十二指腸、大腸の病気が疑われる場合は、胃や大腸の内部をより詳細に観察することができる内視鏡検査を行います。

尿検査

尿路結石などの病気が疑われるときは、尿に血液や白血球などが混ざっているかを確認するために尿検査を行います。

心電図検査

心筋梗塞狭心症などによる急性腹症が疑われるときは、心電図検査を行います。

治療

急性腹症の治療法は原因となる病気によって大きく異なります。

心筋梗塞、腹部大動脈解離、肝臓がん破裂、子宮外妊娠、重症な腹膜炎など早急な治療をしなければ命を落とす危険が極めて高い病気の場合は、緊急手術やカテーテル治療、集中治療室での治療などが行われます。

一方で、“緊急”での治療が必要でない病気の場合は、それぞれの重症度に合わせて待機的な手術やカテーテル治療、内視鏡治療、点滴治療などが行われます。

予防

急性腹症はさまざまな病気の総称であるため、予防できないケースも少なくありません。一方で、心筋梗塞狭心症糖尿病性ケトアシドーシスなど生活習慣病に起因するような病気は日頃から生活習慣を改善することで発症リスクを低減することが可能です。

また、急性腹症は緊急の治療が必要になるケースが多いため、急激な強い腹痛が生じたときは軽く考えずに早めに医療機関を受診することが大切です。

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