概要
虹彩離断とは、虹彩(茶目にあたる部分)が外傷によって引き裂かれた状態を指します。外傷などによって強い力が加わり、虹彩が伸びてしまうことで引き起こされます。
虹彩が離断されると虹彩が円形ではなく、いびつな形に見えるようになります。それに伴い視力の低下や眼圧(目の中の圧)の上昇、光を異常にまぶしく感じるといった症状が現れます。
治療は症状や重症度によって異なりますが、薬物療法を中心に必要に応じて手術などを行うこともあります。
原因
眼球に強い衝撃が加わり、圧力によって虹彩が伸びて引き裂かれてしまうことで発症します。具体的には、眼球を殴打される、ボールが目にぶつかる、転倒して目をぶつけるなどが挙げられます。
症状
虹彩離断をきたすと虹彩の形がいびつになります。そのほか、以下のような症状が現れます。
- 視力低下
- 光をまぶしく感じる
- 眼圧の上昇
外傷によって虹彩に炎症が生じると、目の痛みや赤み、涙が出るなどの症状も現れます。
検査・診断
虹彩断裂が疑われる場合には、以下の検査などを実施します。
視力検査
虹彩離断を生じると視力低下をきたすことがあるため、視力の確認を行います。
細隙灯顕微鏡検査
目に光を当てながら顕微鏡を用いて、虹彩や目の表面などに異常がないか観察します。
隅角鏡検査
隅角鏡を目に直接当てて、虹彩や角膜などを詳細に観察する検査です。虹彩炎や緑内障などが起こっていないか確認するために行います。
眼底検査
瞳孔の奥の眼底という部分を撮影する検査です。血管や網膜などに問題が起こっていないか確認することができます。
眼圧測定
目の中の圧力を測定する検査です。眼圧の異常がないかを確認する目的で実施します。
治療
軽症例では、炎症を抑える作用がある目薬などによる薬物療法が行われます。眼圧が高い場合には、眼圧を下げる目薬や内服薬を用いて治療を行います。
虹彩離断の合併症が現れた場合には、薬物療法や手術などを必要に応じて実施します。
予防
虹彩離断は外傷などによる圧力が虹彩にかかることで引き起こされます。そのため、球技などのスポーツや建設現場での仕事など、目にものが当たる可能性のある場面では、防護眼鏡をかけるなどの対策を行うことが大切です。
また、虹彩離断は視力低下などを引き起こすことがあるため、目にものが当たって何らかの症状があるときには早めに医療機関を受診しましょう。
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