治療
前房出血はまずは自然と吸収するのを待ちます。なかなか吸収されないときには、角膜血染症になる恐れがあるので、発症して1週間以降に出血を洗う手術(前房洗浄)を行います。しかし手術により新たな出血を生じることもあるため、注意深く経過をみます。
虹彩毛様体炎に対しては、炎症の状態に応じて点眼薬など薬物での治療を行います。瞳孔偏位や変形による視力低下、羞明や複視が生じた場合には、離断した虹彩と強膜とを縫合する整復手術を行います。
眼圧上昇には発症から1年前後で上昇する早期型と10年以降に起こる晩期型があります。早期の高眼圧に対して多くの場合は点眼薬あるいは内服薬による治療を行います。眼圧下降点眼薬の種類としては房水産生量を減少させるβ受容体遮断薬や炭酸脱水酵素阻害薬が効果的です。毛様体解離を180度以上生じた症例は眼圧が上昇しやすいのですが、範囲が狭くても眼圧が上昇することがあるので、眼外傷後は毎年経過をみていく必要があります。
晩期型の眼圧上昇に対しては一般的な緑内障(開放隅角緑内障)に準じた治療を行います。点眼治療から始めて、効果が弱い場合には緑内障手術(線維柱帯切除術)を行います。レーザー治療(線維柱帯形成術)は効きにくいとされています。
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