治療
血友病Bでは主に次のような治療が行われます。
補充療法
不足している第Ⅸ因子の製剤を投与する先天性血友病Bに対する治療です。出血時に止血に必要な凝固因子を投与する“オンデマンド療法”も行われますが、近年では血友病性関節症などの発症を防ぐため、症状がなくても定期的に第Ⅸ因子製剤の投与を行って出血を予防する“定期補充療法”が重症及び一部中等症患者に対して一般的に行われるようになっています。
一方、長い期間補充療法を行うと3~5%の確率で第Ⅸ因子を攻撃する抗体が形成されるようになることが分かっています。このような抗体が形成されると第Ⅸ因子製剤の投与を行っても十分な効果は得られなくなるので注意が必要です。
自己抗体(インヒビター)に対する治療
後天性血友病Bや上で述べたような長期間にわたる補充療法の結果、第Ⅸ因子を攻撃する自己抗体(インヒビター)ができたときは、多量の第Ⅸ因子を投与して抗体の産生を抑え込む“免疫寛容導入方法”、出血が止まらないときは抗体量に増す第Ⅸ因子を投与することで出血を止める“中和療法”が行われることがあります。
また、自己抗体を多量に持っている場合には、“バイパス療法”が行われます。バイパス療法とは、第Ⅺ凝固因子以外の凝固因子を使って血液を固める治療方法です。治療に用いられる主な凝固因子製剤には、活性型Ⅶ因子製剤などが挙げられます。
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