治療
褐色細胞腫に対する治療の原則は、α遮断薬を中心とした薬物療法によって血圧および体液量をコントロールしたうえで、手術で腫瘍を摘出することです。
褐色細胞腫では無症状で経過する例もありますが、ささいな刺激をきっかけとして褐色細胞腫クリーゼをきたすことがあるため、原則として手術を行うことがすすめられます。
薬物療法としては、術前の血圧コントロールと体液量減少の回復を目的にα遮断薬が用いられるのが一般的です。動悸が強い場合にはβ遮断薬が併用されます。症状が重篤な場合にはチロシン水酸化酵素阻害薬であるメチロシンを用いることもあります。
手術においては開腹手術と内視鏡手術の2つの方法がありますが、最近では体への負担がより少ない内視鏡手術が主流になってきます。
良性腫瘍の場合には手術によって根治が期待できます。しかし、悪性の場合にはカテコールアミンの産生能を持つ腫瘍の転移病変のため、根治は望めません。そのため、手術でできる限り腫瘍を摘出した後、抗がん剤を用いた化学療法、分子標的薬や、放射線を出すヨウ素を内服して体内から病変に放射線を照射するアイソトープ療法などが行われます。
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