概要
貧血母斑とは皮膚に生じる蒼白斑です。温熱や摩擦などの刺激に対する充血反応が起こらず、周囲の皮膚と比べ明瞭な蒼白斑が出現します。
出生時もしくは幼少時期に偶然に、蒼白斑として発見されることが多いです。進行性の病変ではありませんが、体の成長に合わせて拡大することがあります。多くは出生時から生じますが、非遺伝性の疾患です。
原因
明らかな原因は不明です。局所的な血管神経の機能異常で、血管収縮性線維が持続的に刺激されることにより、血管拡張が抑制された状態にあると考えられています。
症状
頻度は体幹に多いですが、顔面や四肢にも発生することがあります。
個々の皮疹は大きさも形状もさまざまですが、周囲により小さな病巣を伴うことがあります。普段は周囲の皮膚との色調の違いは目立ちませんが、温熱や摩擦などの刺激が加わると蒼白部分が出現します。
検査・診断
摩擦、温熱刺激を加えた際に病変部位に発赤はみられず、周囲の皮膚とのコントラストが明瞭になります。皮膚温や知覚検査では通常異常は認められません。
血管の収縮、拡張に関与する各種薬剤(ヒスタミン、アセチルコリン、β遮断薬、α遮断薬など)を皮内に注射した際にみられる、病変部と正常部皮膚の反応の違いも診断に有用な場合があります。
治療
整容目的であれば、メイクアップが有効です。
医師の方へ
「貧血性母斑」を登録すると、新着の情報をお知らせします