けっせつせいこうかしょう

結節性硬化症

同義語
TSC
最終更新日:
2024年11月21日
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2024/11/21
更新しました
2017/04/25
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概要

結節性硬化症は、脳や皮膚をはじめ全身に過誤腫と呼ばれる良性の腫瘍(しゅよう)や、過誤組織と呼ばれる異常な組織が形成されることが特徴です。過誤腫や過誤組織はさまざまな症状を引き起こす原因になります。

この病気は、胎児期の妊婦検診、出生時の皮膚の病変、幼少期のてんかんや知的発達の遅れで気付かれることがありますが、患者によってさまざまです。遺伝子の異常が原因となり発症しますが、両親からの遺伝ではなく突然変異で発症するケースがあります。日本ではおよそ6,000~10,000人に1人が発症するといわれています。

結節性硬化症における治療では、それぞれの症状に対する治療が行われます。

原因

結節性硬化症の原因としては、2種類の遺伝子が見つかっています。両親のどちらかに原因遺伝子の異常がある場合には遺伝による発症の可能性がありますが、患者の両親に遺伝子の異常が見つからない突然変異のほうが多いとされています。

症状

結節性硬化症では、全身にさまざまな症状が現れます。出現しやすい症状もありますが、患者により現れる症状やその程度は異なり、また年齢などにより現れやすい症状が異なります。

脳や中枢神経の症状

脳における腫瘍や構造の異常、てんかん、知的発達の遅れや発達障害(神経発達症)などの症状がみられます。てんかんや知的発達の遅れは、かつて結節性硬化症の主要な特徴ともされていましたが、現在はこれらの症状を伴わないケースも多いといわれています。

皮質結節と呼ばれる脳の表面が固くなる異常は患者の90%近くにみられ、頭部の画像検査で確認することができ、てんかんなどの発症と関わりがあるとされています。

また、脳内の腫瘍が大きくなることで水頭症を引き起こすこともあります。

皮膚の症状

皮膚の一部で白いあざのように色素が抜ける(白斑)、頬などに赤みを伴う盛り上がりができる(血管線維腫)などの症状がみられます。皮膚の症状は、結節性硬化症の患者の多くにみられるといわれています。

年齢により症状の現れ方に違いがあり、白斑は出生時~生後数年以内に現れますが、血管線維腫は3~4歳ごろに症状が明確になり思春期ごろから増加するなどの特徴があります。

そのほか、爪の周りや口の中に症状が現れることもあります。

心臓の症状

心臓の筋肉に、心横紋筋腫と呼ばれる腫瘍ができることがあります。多くの患者では無症状であることが多いですが、血流の異常や不整脈などの症状が現れることもあります。心横紋筋腫は、乳幼児期までに50%程度の患者にみられるとされていますが、年齢とともに小さくなったり消失したりすることが一般的です。

腎臓の症状

腎臓に血管筋脂肪腫と呼ばれる腫瘍ができたり、腎細胞がんを生じたりします。これらの腫瘍ができても無症状であることが多いですが、血管筋脂肪腫では腫瘍が大きくなるにつれて脇腹の痛みやしこり、血圧の上昇や血尿などの症状が現れることもあります。また腫瘍が大きくなりすぎるとお腹の中で大量出血することもあります。腹部の超音波検査で見つかることがあります。

腎臓の異常は、結節性硬化症の患者の60~80%に生じるといわれています。

肺の症状

肺の中で腫瘍が形成されたり、細胞が過剰に形成されたりすることがあります。腫瘍が原因となり生じるリンパ脈管筋腫症と呼ばれる病気は、成人女性の結節性硬化症患者に多くみられるといわれています。胸部のCT検査で見つかることがあります。症状の強さや進行には個人差がありますが、呼吸困難などの症状が現れることがあります。

そのほかの症状

そのほか、目や骨、消化管、肝臓などに異常が生じることがあります。症状の有無や程度は患者により異なります。

検査・診断

遺伝子検査と全身にみられる症状の検査により診断されます。

遺伝子検査で原因となる遺伝子に異常が見つかれば結節性硬化症と診断されますが、患者に遺伝子の異常がみつからないケースも10~25%あるとされるため注意が必要です。

症状の検査は部位により異なりますが、CT検査やMRI検査、超音波検査のような画像検査が行われるほか、皮膚などでは視診、触診などが行われます。

治療

治療としては、生じている症状に対する治療が行われます。薬物療法のほか、手術により異常をきたしている部位を切除することなどもあります。

患者により現れる症状とその程度は異なるため、行われる治療も患者により異なります。

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