概要
足趾伸筋腱損傷とは、足の指を上に曲げる(あるいは伸ばす)運動を制限する筋肉の腱(筋肉に繋がる腱、あるいは筋肉と連続する腱)に損傷が生じた状態を指します。足趾伸筋腱は足の甲側の皮膚の下の浅い部分に存在することから、切り傷やものを落とした際の衝撃などをきっかけとして損傷が生じることがあります。
また、足趾伸筋腱と同時に神経や血管などの損傷を伴うこともあるため、それぞれの損傷に応じた治療介入が必要とされます。
原因
足趾伸筋腱の損傷は、以下のような状況で生じることがあります。
- 重たいものを足の甲に落とす
- 芝刈り機などの作業中に誤って足を切ってしまう
- スポーツで腱を酷使する(サッカーやテコンドーなど)
などが挙げられます。
足趾伸筋腱の解剖は複雑ですが、一部の腱は皮膚の下の比較的浅い部分に位置しています。浅い場所にある腱はそれだけ外からの影響を受けやすいともいえるため、外的な要因から腱損傷が引き起こされる可能性があります。
症状
足趾伸筋腱は、足の指を伸ばすのに重要な役割を担う腱です。この腱が損傷を受けることで、指の伸展がうまくいかず屈曲した位置で指が固定されます。
足の指をうまく動かすことができなくなることから、歩行や起立に支障が生じることがあります。また、腱が損傷を受けることで痛みが生じることもあります。
さらに、同時に皮膚や神経、血管が損傷を受けると、皮膚の損傷部位から腱や皮下の組織が見える、周囲の感覚が鈍くなる、血管からの出血が見られる、などの症状を伴うことがあります。そのほかにも、状況に応じては局所の腫れや皮下出血などが見られることもあります。
検査・診断
足趾伸筋腱損傷では、足の指がどのように動くか、関節の動きに制限がないかなどを身体診察で詳細に確認することが重要です。また、外傷による傷口、感覚障害や皮膚の欠損、出血の状況なども同時に確認します。
そのほかにも、腱や骨、周囲の軟部組織などの損傷を評価するための検査も行われます。具体的には、レントゲン(X線)写真やCT検査、MRI検査などの画像検査が適宜検討されます。
治療
足趾伸筋腱損傷では、腱の損傷程度に応じて保存的療法もしくは手術的な治療介入が検討されます。
腱が大きく断裂している場合や神経、血管などの損傷が強い場合などには、手術的な治療介入が第一に検討されます。手術後は荷重負荷や運動負荷をどの程度かけるか考慮しながら、リハビリテーションを行うことも大切です。
また、足趾伸筋腱損傷が生じた状況によっては、破傷風の予防対策を講じることもあります。傷口の汚染が強い場合には、それまでの予防接種歴を加味したうえで、ワクチンの接種や免疫グロブリンの投与などを行います。
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