原因
透析アミロイドーシスの発症機序は完全に解明されていませんが、β2-マイクログロブリンという、全ての細胞膜に存在するタンパク質が関与しています。β2-マイクログロブリンが透析治療で除去しきれずに蓄積し、さらに透析治療で生じる体内の炎症などが加わることで、アミロイドの形成が進むと考えられています。
透析アミロイドーシスの原因と危険因子には、以下の4点が挙げられます。
低フラックス透析膜の使用
β2-マイクログロブリンは、透析で除去される老廃物の中でもサイズが大きめであり、低フラックス透析膜では体内から除去されずに蓄積します。
残存する腎機能の低下
残存する腎機能が低い場合もβ2-マイクログロブリンは蓄積しやすくなります。
低生体適合性透析膜と低純度透析液の使用
透析アミロイドーシス発症に関与する炎症は、透析膜の生体への適合性*の良し悪しと、透析液の純度に左右されます。純度が低い透析液には、細菌から放出されるエンドトキシンと呼ばれる物質(細菌の死骸から出る毒素)が含まれ、体内の炎症を促進させるといわれています。
*生体への適合性:透析膜と血液が触れ合う際、透析膜の素材によっては血液中に備わっている炎症システムが反応しやすくなる。このような透析膜は生体適合性が悪い(低い)と表現される。
高齢・長期透析治療(10年以上)
透析治療においてβ2-マイクログロブリンの蓄積をゼロにすることは難しいため、透析治療期間が長くなるほど、透析アミロイドーシスは発症しやすくなると考えられています。
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