治療
適応障害の治療でもっとも大切なことは、原因となるストレス状態の軽減です。
そのために環境調整としては、一時的に学校を休ませたり、休職をすすめたりする場合もあります。職場の配置転換後に発症した場合は、本人が希望する部署への異動をすすめるのが有効な場合もあります。
これと並行して、本人に対してはストレス対処能力を高めることが非常に大事です。このために、心理療法としては、認知行動療法やカウンセリングが行われます。不眠、不安、緊張感、抑うつ気分などの症状が顕著であれば、補助的に薬物療法で症状を抑えながら、本人と環境の間に生じている問題を徐々に整え、ストレスを受け入れる手助けをする治療が行われます。
また、社会的サポートの補強としては、家庭内での環境調整や周囲の協力を得ることが必要です。多くの適応障害ではストレスとなる要因がなくなると症状も改善します。しかし、ストレスを完全に排除することは困難なことが多く、ストレスとうまく付き合いながら、情緒面の症状には認知行動療法や対症的に薬物療法が行われます。
なお、一般的に薬物療法で用いられるのは、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬などですが、あくまで補助的なものであり、心理療法に比べて効果のエビデンスが乏しいため、環境調整や本人への心理療法が優先されます。
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