治療
開放骨折部の初期治療には、まず感染を予防するために洗浄やデブリドマン(細菌に汚染されたり壊死したりしている組織や異物の切除を行い、清浄化すること)が行われます。
その後、損傷した骨の固定が行われます。固定の方法には内固定と外固定がありますが、体内から固定する内固定では器具が感染を助長する可能性があります。そのため、感染が起きていなくても外固定が選択されることが一般的です。
外固定では、骨折部から離れた部位に金属製の柱などを挿入したうえで、体外で連結し骨折部が安定するような創外固定が行われます。なお、細菌に汚染された範囲が小さい場合には、6時間以内に徹底したデブリドマンを行うことで内固定による感染は起きにくいとされているため、内固定が選択されることもあります。
骨の固定のほか、皮膚の欠損や壊死がみられる場合には、二期的*に患者自身の正常な皮膚や組織を移植して修復します。
また感染が起きている場合はもちろんのこと、感染予防として抗菌薬が用いられ、破傷風を予防するための予防接種や免疫グロブリンの投与が行われることもあります。
さらに必要に応じて輸液や人工呼吸管理が行われるほか、血管が損傷していれば血管をつなぐ手術、コンパートメント症候群に対して圧を下げる手術など、状態に応じた治療が行われます。
治癒の過程では、運動機能を受傷前の状態に戻すことを目的に、なるべく早期のタイミングでリハビリテーションが開始されます。
*二期的:2回に分けて手術を行うこと。
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