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コンパートメント症候群
下肢や前腕などでは、多くの筋肉がそれぞれコンパートメントと呼ばれる空間に存在しています。コンパートメント症候群とは、コンパートメント内の圧力が異常に上昇する結果、そのなかに存在する筋肉や血管、神...
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コンパートメント症候群こんぱーとめんとしょうこうぐん

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更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
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2017 年 04 月 25 日
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概要

下肢や前腕などでは、多くの筋肉がそれぞれコンパートメントと呼ばれる空間に存在しています。コンパートメント症候群とは、コンパートメント内の圧力が異常に上昇する結果、そのなかに存在する筋肉や血管、神経などが物理的な圧迫を受けることから発症する病気を指します。コンパートメント症候群は骨折などを誘因とし急性疾患として発症することもあれば、長距離ランナーなど慢性的な運動を繰り返すことから発症することもあります。急性発症をするコンパートメント症候群においては、永続的な筋肉神経障害を来す可能性があるため、緊急にコンパートメント内の圧力を下げるための措置を行うことが求められます。

原因

下肢や大腿、前腕などには、筋肉がいくつも存在しており、それぞれの筋肉は「筋膜」と呼ばれる固い膜で囲まれています。筋膜に囲まれた空間(すなわち「コンパートメント」)の中には、筋肉以外にも血管や神経も一緒に存在しています。筋膜はこれらの組織を一つの有機体として効果的にはたらけるように束ねる役割を果たしており、したがって筋膜は容易に伸長することはありません。
コンパートメント症候群とは、コンパートメントと呼ばれる空間内の圧力が異常に高くなることを原因として発生します。何かしらの誘因で筋肉が腫れるようになると、容易にコンパートメント内の圧力が異常上昇します。コンパートメントは固い筋膜で囲まれており圧力が高くなりやすく、血流障害が引き起こされることになります。血流障害が続くと、筋肉や神経が虚血状態に陥り、最終的には細胞が死んでしまいます。筋肉が影響を受けると「横紋筋融解症」と呼ばれる病気を発症し、致死的な不整脈や腎機能障害を生じることになります。また、筋肉が強い障害を受ける結果として拘縮を残すこともあります。なお、固い筋膜で囲まれた前腕や下肢がコンパートメント症候群の好発部位ですが、お腹の中の圧力が急激に上昇することからも同様の病態を発症することがあります。
コンパートメント内の圧力が上がる原因として代表的なものは、骨折や打撲などの外傷です。また血流障害を受けていた部位が、手術や薬剤などで血流が改善したときにもコンパートメント症候群が発症することがあります。その他、やけどや不適切なギプス固定、ステロイドなどでも発症することがあります。長距離ランナーなど、同じような動作を繰り返す場合にもコンパートメント症候群を発症することがありますが、急性に発症するときに比べて急激なコンパートメント内の圧力上昇を来す訳ではありません。

症状

コンパートメント症候群の典型的な症状は、圧力の上昇しているコンパートメントに一致した痛みです。障害を受けている筋肉を伸ばそうとすると痛みが増強します。コンパートメント内の神経も同時に障害を受けるため、ぴりぴりしたような感じやチクチクしたような感覚異常を自覚することもあります。圧力上昇を反映して、筋肉が張った感じを自覚することもあります。病状が進行すると、感覚喪失、麻痺を来すようになります。
コンパートメント症候群では、横紋筋融解症を併発することがあります。この状況では筋肉内の電解質(主にはカリウム)やタンパク質が大量に血液中に放出されることになり、致死的な不整脈や腎機能障害を発症することもあります。

検査・診断

コンパートメント症候群では、「needle manometer法」と呼ばれる方法で診断されます。この方法では実際に針をコンパートメント内に差し込み、圧力を測定することになります。コンパートメント症候群を発症していると、コンパートメント内の圧力が異常上昇をしていることが確認されます。
コンパートメント症候群では、外傷をきっかけとして発症することが多いです。したがって、骨折や筋肉内血腫が存在しないかを確認するためにレントゲン写真やCT、MRIなどの画像検査が行われることがあります。
またコンパートメント症候群では、横紋筋融解症を発症することもあります。筋肉内の物質が大量に血液中に入り込んでいないかを検索するために、血液検査にて電解質(カリウム)、CPKなどの物質を測定します。

治療

急激にコンパートメント症候群を発症しているときには、筋膜切開と呼ばれる緊急の対応が必要になります。固い筋膜を切開することで、コンパートメント内の圧力が低下しやすいように、圧力の逃げ場所を作る方法になります。
スポーツなどの繰り返し運動で慢性的に経過しているコンパートメント症候群に対しては、保存的な治療方法が選択されることもあります。靴を変えてみたり、痛み止めを使用したり、一時的な休養を勧めたりします。慢性的なコンパートメント症候群において保存的な治療方法をとっても症状が改善しない場合には、急性発症のコンパートメント症候群と同様に筋膜切開術が選択されることもあります。しかし、急性発症したときと異なり緊急疾患としての対応が求められる訳ではなく、あくまでも治療方法の一つの選択肢として考慮されます。