治療
間質性膀胱炎に対して行われる治療は、麻酔下で行われる膀胱水圧拡張術や経尿道的ハンナ病変凝固術などの手術療法、薬物療法、保存的治療などです。ただし、間質性膀胱炎における根本的な治療方法は現時点ではありません。
手術療法
間質性膀胱炎の手術療法としては、麻酔下膀胱水圧拡張術や経尿道的ハンナ病変凝固術などが行われます。
麻酔下膀胱水圧拡張術は、生理食塩水で膀胱を押し広げる治療法です。膀胱に生理食塩水を入れて拡張させることにより、膀胱を広げ、膀胱に尿がたまったときの痛みや頻尿などの症状を緩和させることを目的としています。ただし、治療して1~2週間程度は症状が軽減されなかったり、人によっては一時的に悪化したりすることがあります。一般的には時間の経過とともに改善する傾向があり、治療による血尿も数日で治まるといわれています。
経尿道的ハンナ病変凝固術は、レーザーおよび電気を用いてハンナ病変を焼灼凝固したり切除したりする治療法です。ハンナ型間質性膀胱炎の場合に選択される治療法で、麻酔下膀胱水圧拡張術と合わせて行われます。経尿道的ハンナ病変凝固術についても、麻酔下膀胱水圧拡張術と同様に膀胱に尿がたまったときの痛みや頻尿などの症状を緩和させることを目的としています。
薬物療法
間質性膀胱炎に対する薬物療法としては、服薬治療と膀胱へ直接薬剤を入れる薬物注入療法などがあります。
服薬治療では、症状に併せて抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、鎮痛薬、抗菌薬、漢方薬などの処方が検討されます。ただし、これらの薬剤については間質性膀胱炎に対する治療薬として認められているものではないため、あくまで対症療法として用いられる治療法です。
薬物注入療法は、ジメチルスルホキシド(DMSO)やヘパリン、ステロイドなどが用いられます。膀胱に直接薬剤を注入することで、膀胱粘膜を修復したり、炎症を軽減したりする効果が期待できます。ジメチルスルホキシド(DMSO)については、2021年4月に保険適用が認められています。
生活指導
間質性膀胱炎は、生活環境やストレスなどによる影響、香辛料などの刺激物、カリウムを多く含む果物などの摂取、排尿の我慢などに影響を受けやすいといわれています。それらの原因を避けることに加え、食事療法が重要となります。
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