かんしつせいぼうこうえん

間質性膀胱炎

泌尿器

目次

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概要

膀胱は、腎臓でつくられた尿をためておく役割をもつ臓器であり、ここに発生する炎症を膀胱炎といいます。その原因は多岐にわたり、もっとも頻度が高いものは感染性膀胱炎です。尿道から病原体(主に細菌)が侵入して生じ、症状の出現は急性で、通常は抗菌薬の内服治療を実施します。

一方、間質性膀胱炎は原因不明の膀胱の炎症です。2018年現在、確立した治療法がありません。中高齢の女性が多く発症しますが、男性や子どもにもみられます。

原因

原因としては、膀胱の粘膜の機能障害や、異常な免疫反応などが想定されていますが、いまだ解明されていません。

症状

間質性膀胱炎の主な症状は、頻尿、尿意亢進(強い尿意)、尿意切迫感(急に出現する差し迫る尿意)、膀胱不快感、膀胱痛などです。膀胱の不快感や痛みは、膀胱に尿がたまったときに悪化する傾向があり、尿が十分にためられないことが特徴です。トイレの回数が増えることに加え膀胱の痛みによって、日常生活に大きな支障をきたします。

検査・診断

間質性膀胱炎の診断では、問診による症状の確認、膀胱鏡検査(膀胱内を観察する内視鏡検査)を実施して、他の類似疾患の可能性を否定できるか調べます。

以下のような特徴的な所見が診断に有用です。

 

ハンナ病変

間質性膀胱炎に特有の発赤粘膜(赤みをおびた粘膜)のことです。粘膜はしばしば剥がれ落ち、びらん状となります。ハンナ病変の有無により間質性膀胱炎は、ハンナ病変を有するハンナ型と、ハンナ病変を有さない非ハンナ型に分類されます。ハンナ型間質性膀胱炎は、難病に指定されています。

 

膀胱拡張後の点状出血

間質性膀胱炎の患者さんは尿が十分にためられないため、膀胱が広がりにくい状態となっています。そのため膀胱に水を入れて拡張して水を抜くと、膀胱粘膜から点状の出血が見られます。

治療

内視鏡的な治療として、膀胱に水を入れて拡張する膀胱水圧拡張術が広く用いられます。またハンナ病変を認める場合は、膀胱鏡下にこれを焼灼する手術も行われます。

これらの治療によって、約半数の患者さんは症状が落ち着いて安定した状態になります。しかし再び症状が悪化することも多く、その場合には再度治療が必要となります。

この他、鎮痛薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、免疫抑制剤などの内服治療、膀胱内へ薬剤を注入する治療法も用いられます。これらの治療にもかかわらず、耐えがたい症状が持続する場合には、膀胱を摘出する手術も検討されます。