種類
静脈奇形にはいくつかの種類があり、病変の深さや発症部位により分類されます。多くは孤発性(非遺伝性)ですが、遺伝性のものや混合型など特殊な静脈奇形もあります。
深さによる分類
- 表在性静脈奇形……皮膚表面の浅いところに病変があるものを指します。血管が透けて見えやすいため、色の変化や血管の膨らみなどの変化が分かり、病気に気付きやすいとされます。
- 深在性静脈奇形……筋肉や関節など、皮膚表面から深いところに病変があるものを指します。血管が外側から見えにくいため、膨らみが分かる程度で気付きにくくなります。
部位による分類
- 筋肉内静脈奇形……筋肉の中に病変がある静脈奇形です。出生時には気付きにくく、成長とともに見つかる場合が多くなります。痛みやしびれがあり、運動時に血管が膨らむなどの症状があります。
- 顔面部静脈奇形……顔に病変があるものをいいます。あらゆる部分(頬、口唇、眼瞼、顎、額など)に現れる可能性があります。寝かすなど姿勢を変えたり、泣いたり笑ったりすることで顔面に力が入ると、血管が膨らんだり、皮膚が紫色になったりします。
- 咽頭部静脈奇形……喉や舌に病変があるものです。病変が大きくなると、気道がふさがることで、話しづらくなったり飲み込みが難しくなったりするなどの症状や、睡眠時無呼吸症候群に伴う症状(日中の眠気やイビキなど)が現れる場合があります。
特殊な静脈奇形
- 青色ゴムまり様母斑症候群……皮膚や消化管にいくつもの病変が起こるまれな静脈奇形です。皮膚症状のほかに、消化管出血や貧血などが起こる場合があります。
- 家族性皮膚粘膜静脈奇形……遺伝性で、皮膚や粘膜などに小さい病変がいくつも現れる静脈奇形です。
- グロムス静脈奇形(グロムス奇形)……手足の末端や爪などに、硬いしこり状のものが敷き詰められたような病変がみられます。若年成人に多く、痛みを伴います。
- 脳海綿状血管腫(脳海綿状血管奇形)……頭蓋内に起こる静脈奇形です。ほとんどは無症状ですが、部位によっては出血やけいれん、麻痺、しびれなどが起こります。
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