症状
類乾癬では、それぞれ以下のような症状がみられます。
局面状類乾癬
体幹や手足に周囲との境界線がはっきりとした淡い紅斑(皮膚が赤い状態)を認め、軽度の鱗屑を伴います。中高年〜高齢の男性に比較的多くみられます。
皮疹の大きさが直径5cm以上のものは“大局面型”、5cm以下のものは“小局面型”と分類されます。
大局面型
大局面型は皮疹に軽度の萎縮を伴います。うち10〜30%は、皮膚がんの皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の一種である“菌状息肉症”に移行する可能性があります。
小局面型
小局面型の皮疹は左右対称性に生じることが多く、白くて細かな落屑を伴うほか、皮膚割線(皮膚の緊張と一致する線)に沿って細長い病変を認めることもあります。
なお、小局面型は通常良性のものであり、皮膚T細胞リンパ腫に変化することはごくまれです。
苔癬状粃糠疹
比較的若年層に多く発症し、体幹や太もも、上腕に直径が数mm〜1cm程度の赤くプツプツとした皮疹がみられます。この皮疹は次々と発生し、古いものと新しいものがいくつも混在することが特徴です。また、治癒した後には色素沈着や瘢痕を残します。
症状の経過から“急性痘瘡状苔癬状粃糠疹”と“慢性苔癬状粃糠疹”に分類されます。
急性痘瘡状苔癬状粃糠疹
潰瘍やかさぶたを伴う赤いプツプツがいくつも発生します。また、発熱や倦怠感を伴うこともあります。皮疹は瘢痕を残して数週間程度で治るとされます。以前は“ムッカ・ハーベルマン病”と呼ばれていた病気です。
慢性苔癬状粃糠疹
直径1cm以下の紅斑や赤くプツプツと盛り上がる小さな皮疹が発生し、白い鱗屑を伴います。かゆみなどの自覚症状はなく、数か月程度で自然に軽快します。以前は“滴状類乾癬”と呼ばれていた病気です。
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