さいじじんしょうこうぐん

鰓耳腎症候群

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原因

鰓耳腎症候群は、主に出生前の発生段階ではたらく遺伝子の異常によって発症する病気です。受精卵から人の身体が形作られる過程では、妊娠4週頃から、顔面や頚部のさまざまな器官(特に骨と筋肉)を作るもととなる「鰓弓(さいきゅう)」が発生します。鰓弓は1番から6番まで分類されますが、鰓耳腎症候群は、第2番目の鰓弓形成に深く関与する遺伝子に異常が生じます。第2鰓弓は、首や耳の一部構造物が形成されますが、この遺伝子の異常により、これらの構造物が正確に形成されなくなります。それによって、耳介の形に異常が見えたり、「瘻孔(ろうこう)」と呼ばれる孔が耳や首に形成されるようになったりします。また、聴力にも影響がおよびます。さらに、これら遺伝子は腎臓発生にも関与しているため、鰓耳腎症候群では腎臓の機能異常も生じます。

鰓耳腎症候群は、「常染色体優性」と呼ばれる遺伝形式をとります。人の細胞には同じ遺伝子が2つ存在していますが、父親および母親からそれぞれ1つずつ受け継ぎます。鰓耳腎症候群をきたす原因の遺伝子異常を2つのうち1つに生じると、残りの1つが正常な遺伝子であったとしても病気が発生することになります。さらに、両親どちらかが鰓耳腎症候群である場合、お子さんも同じ病気を発症する可能性は理論上50%です。

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